2020 Fiscal Year Research-status Report
New treatment for infectious keratitis with photochemical reaction
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20K18343
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| Research Institution | Hiroshima University |
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Principal Investigator |
末岡 健太郎 広島大学, 医系科学研究科(医), 寄附講座助教 (20868228)
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| Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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| Keywords | 光線力学的抗微生物化学療法 / PACT / 半導体レーザー（Laser Diode） / 発光ダイオード（LED） / パルス照射 |
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| Outline of Annual Research Achievements |
本研究は，光線力学的抗微生物化学療法（photodynamic antimicrobial chemotherapy: PACT）を用いた、抗微生物薬に頼らない新たな角膜感染症治療法の確立が究極の目的である。新たな薬剤耐性菌を生み出さないためにも、PACTは非常に期待される感染症治療である。
本年度は、これまで光源として使用してきた発光ダイオード（light emission diode：LED）と新たに準備したパルス照射モードを有する半導体レーザー（laser diode：LD）をin vitroで比較検討した。まず放射照度（W）を実測し、いずれの照射装置もアンペア（A）に比例、照射距離の二乗に反比例した照度だった。水平方向のパワー減弱は、LEDは斜入射光特性（コサイン特性）に応じて、周辺へ行くほど照度が急激に低下（cos^4θ倍）したが、LDは照射可能範囲内での水平方向減弱はなかった。
各光照射装置の温度上昇への影響は、LED連続照射＞LD連続照射＞LDパルス照射の順に大きく、光増感剤TONS504の濃度に応じた温度上昇を示した。LED連続照射、LD連続照射はTONS1mg/Lまで、LDパルス照射はTONS10mg/LまでコントロールのPBSと同等の温度上昇に抑えられ、LDパルス照射が温度上昇への影響が最も小さかった。
in vitroにおけるS. aureusに対するTONS504-PACTの抗微生物効果を、LED連続照射、LD連続照射、LDパルス照射で比較し、いずれもTONS504濃度に応じた抗微生物効果を示した。LED連続照射、LD連続照射で抗微生物効果に差はなかった。LD連続照射、LDパルス照射では、後者がやや抗微生物効果が強い傾向にあった。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
各光照射装置の温度上昇への影響評価で、照射前の開始温度や室温などの影響が大きく（開始温度が低いと温度上昇が大きく出る傾向）、複数回の測定、時間を要した。また、今後のin vivoにおける温度上昇の評価に先立って、測定機器としてワイヤー型とカメラ型サーモメーターの比較検討も行い時間を要した。
また、in vitroでのTONS504-PACTの抗微生物効果の評価において、光照射条件（距離や時間、照射強度）を模索中で、適切な条件検索に至っておらず、時間を要している。菌種としては、グラム陽性菌のS. aureusのみの抗微生物効果評価にとどまっており、グラム陰性菌であるP. aeruginosaに対する抗微生物効果の評価を予定している。
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| Strategy for Future Research Activity |
in vitroで現在模索中の適切な光照射条件を見出し、S. aureusに対する抗微生物効果の差を各光照射装置、光照射モード（連続照射、パルス照射）で再評価し、グラム陰性菌のP. aeruginosa、酵母型真菌のC. albicansに対する抗微生物効果も評価する。また必要に応じて、PACTにおける抗微生物効果の増強を目的に、界面活性剤である塩化ベンザルコニウムやEDTAの併用なども検討する。
in vitroにおいてLDパルス光照射装置の優位性を見出すことができれば、in vivoに向けてin vivo用の新規光照射装置の設計も行い、in vivoでのLDパルス光照射装置を用いたTONS504-PACTの抗微生物効果の評価にも取り掛かる。
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| Causes of Carryover |
学会などがオンライン開催となり旅費を要さなかった。in vitroでのTONS504-PACTの抗微生物効果の評価において、光照射条件（距離や時間、照射強度）を模索中で、適切な条件検索に至っておらず、in vivo用レーザー装置の作製まで至らなかった。
in vitroにおいて従来のLED照射とパルス照射半導体レーザーの抗微生物効果の比較検討を続け、後者の優位性を見出すことができたら、in vivo用パルス照射半導体レーザーの設計、作製を行い、日本白色家兎角膜感染モデルを用いたin vivoでの抗微生物効果の評価、従来型照射装置との比較検討に取りかかる。
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Research Products
(4 results)
