2021 Fiscal Year Research-status Report
増殖糖尿病網膜症におけるCdk5とERK回路の関与について
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20K18345
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
仁木 昌徳 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 助教 (20861082)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 外科 / 細胞・組織 / 生体分子 / 糖尿病 / 臨床 |
Outline of Annual Research Achievements |
PDR患者7例の増殖膜、control群であるERM患者5例から網膜前膜を採取し、直ちに凍結させ、解析するまで-80℃で冷凍保存とした。 上記サンプルにおける免疫蛍光分析を行った。PDR患者の増殖膜において、PPARγ、Cdk5、およびp35は、control群と比較して強い免疫染色が観察された。定量分析の結果、PPARγの蛍光強度は、control群よりもPDR患者で有意に高かった。同様に、Cdk5、p35の蛍光強度もcontrol群よりもPDR患者で有意に高かった。 また、抗vWF抗体で二重標識されたことから、これらの発現が主としてPDRの増殖膜の血管内皮細胞にあることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
ヒト手術検体であるPDR群の患者とcontrol群の患者の硝子体液および増殖膜、網膜前膜を回収・保存し、前回までの定量的PCR法による増殖膜、網膜前膜でのPPARγ、Cdk5、p35の遺伝子発現の解析に加え、免疫染色と免疫蛍光分析を行えている。
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Strategy for Future Research Activity |
両群で回収した硝子体液の解析を進める。硝子体液中のPPARγ、Cdk5およびp35濃度を ELISA-kitを用いて測定する。また、硝子体液中の総蛋白質濃度も測定とする。PDRを有する患者の硝子体液中のPPARγ、Cdk5、p35濃度の上昇は、眼局所でPPARγ、Cdk5、p35が産生されただけではなく糖尿病網膜症に伴う血液網膜関門の破壊により血漿中の成分が漏出して上昇した可能性があるため、この漏出による影響を最小限にするためPPARγ、Cdk5、p35の各濃度は総蛋白質濃度で除した値として評価する方針である。
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