2020 Fiscal Year Research-status Report
エンドトキシンにより誘導されるIgE非依存性アレルギー性結膜炎症状の検討
Project/Area Number |
20K18346
|
Research Institution | Kochi University |
Principal Investigator |
石田 わか 高知大学, 医学部, 特任助教 (40761705)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | アレルギー性結膜炎 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、能動免疫法によるアレルギー性結膜炎の誘導および即時反応における臨床症状の評価を行った。まずモデルの確立のため、マウスにOVAおよび水酸化アルミニウムゲルをPBSに懸濁したエマルジョンを投与しEc-OVAあるいはPBSを点眼した。その結果、当初の計画による免疫後4日間のOVA点眼ではアレルギー炎症の誘導が弱かったため、7日間点眼による検討を行った。Ec-OVA点眼後10分間掻破行動を確認するとPBS点眼群と比較して、1,3,4,6,7日後に有意に掻破回数が増加した。点眼開始から8日後にEvans blue(EB)の漏出量を測定した結果、Ec-OVA群はPBS点眼群と比較して有意にEB漏出量が増加した。 この能動免疫法のモデルを用いて、アレルギーを誘導したマウスにPBS点眼群、Ec-OVA点眼群およびEf-OVA点眼群を設けて実験を行った。Ec-OVA点眼群はPBS点眼群と比較して、点眼2,3,4,5,6,7日後に有意に掻破回数が増加した。また、Ef-OVA点眼群と比較しても点眼3,4,5,6,7日後に有意に掻破回数が増加した。しかしながら、点眼開始から8日後のEB漏出量の検討では、PBS点眼群と比較してEc-OVA群は有意に漏出量が減少した。これらの結果から、エンドトキシン含有OVAの点眼によりアレルギーの即時反応が増強されることがわかった。しかしながら、EB漏出量の検討においてはEc-OVA群の点眼によって漏出量が増加しない場合が認められたため、検出の条件検討が必要と考えられる。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
能動免疫法におけるEB漏出量の測定法について、更なる検討が必要であることがわかった。本年度は、能動免疫法に加え受動免疫法による検討を行う予定であったが、初回免疫によるアレルギーの誘導から点眼期間までの実験期間が長いため、今後は日程調整を含め迅速に実験を遂行する必要がある。
|
Strategy for Future Research Activity |
能動免疫法におけるEB漏出量の測定については、点眼開始から8日後のEB漏出を測定する方法とともに、1日目の点眼(初回点眼)後の、より即時反応を見られると思われるタイムポイントも検討する。 受動免疫法の検討および、抗ヒスタミン薬あるいは免疫抑制点眼薬による抑制効果の検討も本年度に実施する項目であるため、期間内に計画通り研究を遂行する。
|