2022 Fiscal Year Research-status Report
The roles of periostin deposition in trabecular meshwork for the elevation of intraocular pressure
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20K18359
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
春日 俊光 順天堂大学, 医学部, 准教授 (80568189)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 緑内障 / 眼圧 / 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度はマウスPOSTN分子の制御による眼圧コントロールを目標に研究を遂行した。具体的にはPOSTNトランスジェニックマウスに抗マウスPOSTN中和抗体を投与し、線維柱帯におけるPOSTNの発現量を減少させられるか、また眼圧を低下させることが可能かを目標に実験を進めた。その準備としてPOSTNリコンビナントタンパクを作成し、POSTN抗体の自作をする計画であったが、リコンビナントPOSTNタンパクがその分子量の大きさのためか、うまく産生されないため、POSTN分子の構成ペプチドを複数個作成し、ペプチドによるカクテル抗体を作成した。現在その抗体の中和能力を検証している。中和抗体が完成した時点て、今後当初の計画通り、抗マウスPOSTN中和抗体を投与した状態での濾過手術を施行し、POSTN発現抑制の臨床応用の可能性を探求する。 また、 POSTN欠損およびトランスジェニックマウスに対して、濾過手術を施行し、POSTN分子の有無による濾過胞の形成、浸潤マクロファージ数、α-SMA発現量を定量し、濾過胞瘢痕化に対するPOSTNの影響を評価した。その結果、POSTN分子の存在が、濾過胞の形成にはマイナスに作用すること、浸潤マクロファージ数とα-SMA発現量を増加させ、濾過胞瘢痕化の進行に働くことを発見した。今後、これまでの遺伝子レベルでの解析と合わせて、POSTN分子が濾過胞形成に働く際の機能的意義を明らかにすることで、臨床へ還元することを目指すとともに、その成果を学術雑誌に投稿することを予定している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
抗POSTN中和抗体の作成のためにリコンビナントPOSTNの作成を目指したが、技術的な問題から方向転換を余儀なくされたため。
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Strategy for Future Research Activity |
抗POSTN抗体はPOSTN分子由来のペプチドを複数個用いたカクテル抗体を作成し、現在その生理活性を検証中である。抗体が完成次第、動物実験に導入したい。
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Causes of Carryover |
POSTN抗体が予定通り作成できなかったため、マウス実験が遅れている。抗体の完成を待って来年度で研究を遂行する。今年度の残金は来年度もマウス実験のための費用として使用する。
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