2020 Fiscal Year Research-status Report
Contribution of VISTA molecules to corneal transplantation and immune privilege
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20K18362
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
國重 智之 日本医科大学, 医学部, 講師 (60516045)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 免疫特権 |
Outline of Annual Research Achievements |
VISTA mRNAの発現をRTPCRにて確認したところ、マウス角膜においてVISTA mRNAの発現を認めた。免疫染色においては、BALB/cマウス角膜実質に、CD11b陽性細胞との共発現を認めた。 アロ角膜移植モデルを用いて、VISTAの免疫特権への関与を検討した。C57BL/6マウスの角膜をBALB/cマウスの正常眼に移植し、移植したC57BL/6マウス角膜を、11-0ナイロンにて縫合を行い、1週間後に抜糸を行い、週2回、角膜混濁、血管侵入の程度を顕微鏡下にて観察した。抗マウスVISTA抗体を、週3回の腹腔内投与を継続し、対照としてRat IgGを投与した。対照Rat IgG投与群は、既報通り、半数が生着にいたった 。抗VISTA抗体投与群は全てのアログラフトが拒絶され、Rat IgG投与群と比較して、有意に生着が短縮した(p<0.05)。VISTAが、マウス角膜移植の生着維持に必須の分子である可能性が示唆された。また、角膜移植後3~5週のアログラフトを免疫染色し、アログラフトに浸潤したCD4・CD8陽性T細胞数を定量解析し比較すると、抗VISTA抗体投与群は対照群よりも、アログラフト接合部と角膜中央部における浸潤CD4・8陽性T細胞が有意に多かった(p<0.05)。シンジェニック角膜移植モデルを用いて、VISTAの関与を検討した。BALB/cマウスの角膜に、別個体のBALB/cマウスの正常角膜を移植した。抗VISTA抗体を週3回の腹腔内投与を継続し、対照としてRat IgGを投与した。両群ともに、全例が生着にいたった。VISTAは、シンジェニックモデルでは、角膜移植の生着に寄与しないことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要に記した通り、順調に進展している。今後は、今後の研究の推進方策に記載したように推進していく予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
前房内に侵入した異物(抗原)に対して、抗原特異的な全身性の免疫寛容が誘導される現象を前房関連免疫偏位(Anterior chamber-associated immune deviation ACAID)と呼ぶが 、この現象は角膜移植成立に必須のメカニズムの一つである。VISTA分子が、ACAIDの誘導に関与しているかどうか、抗VISTA 抗体をマウスのACAID 誘導モデルに腹腔内投与して、能動的に遅延型過敏反応が抑制される免疫偏位が起きるかどうか解析する。 ACAID誘導モデルの作成方法を以下に述べる。AllogeneicなC57BL/6の脾細胞をBALB/c前房に注入する。前房投与2週間後、C57BL/6の脾細胞をBALB/cの皮下に注射し、免疫を行う。皮下注射1週間後、C57BL/6の脾細胞をBALB/cの耳介に皮内注射し、遅延型過敏反応がおこる24ならびに48時間後に、耳介の腫脹を計測する。ACAIDが誘導された場合には、遅延型過敏反応が抑制され、耳介の腫脹が軽減される。 この実験系を行い、VISA分子の機能解析を引き続き行う予定である。
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Causes of Carryover |
残額236円は次年度の物品費に使用させていただきます。
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