2022 Fiscal Year Annual Research Report
Contribution of VISTA molecules to corneal transplantation and immune privilege
Project/Area Number |
20K18362
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Research Institution | Nippon Medical School |
Principal Investigator |
國重 智之 日本医科大学, 医学部, 准教授 (60516045)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 免疫特権 / ACAID |
Outline of Annual Research Achievements |
角膜内皮細胞とCD4陽性T細胞の共培養をin vitroにて行い、角膜局所のVISTAの発現が角膜内皮保護にどのように寄与しているか検討した。この実験系は、抗体投与や、ノックアウトマウスを用いて、共培養後の角膜内皮死細胞を定量解析することにより、目的の分子がマウスの角膜局所において、アロ反応性T細胞による角膜内皮障害がどのように関与するかを検討することができる実験系である。C57BL/6マウスやC3H/Heマウスの脾細胞で免疫されたBALB/cマウスの脾臓CD4陽性T細胞と前C57BL/6マウス角膜を6時間共培養し、角膜内皮死細胞を定量解析した。角膜内皮死細胞数は、2群間にいずれの群も有意な差を認めなかった。この結果から、角膜局所のVISTAの発現は、アロ反応性T細胞による角膜内皮障害に関与しない可能性が示唆された。 今までの研究結果において、VISTAが、マウス角膜移植の生着維持に必須の分子である可能性が示唆されている。また、マウスACAIDモデルを用いて、VISTAの免疫特権における働きを検討した結果、VISTAはACAID誘導に一部関与し、角膜移植の生着に寄与している可能性が示唆された。また、ACAID導入後の抗VISTA抗体投与群の脾細胞をフローサイトメトリーにて解析し結果、CD8陽性CD103陽性細胞の割合が有意に少なく、無治療の生着アログラフトに免疫染色を行ったところ、CD8陽性CD103陽性T細胞(CD8陽性制御性T細胞)の発現を認めた。 以上から、マウス角膜移植の免疫応答においてVISTAは、移植成立の必須の分子の一つであることが明らかになった。その機序として、角膜に発現するVISTAが、CD8陽性制御性T細胞を介して、ACAID誘導に関与し、免疫特権を維持する可能性が示唆された。
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