2020 Fiscal Year Research-status Report
難治性ぶどう膜炎疾患を対象としたサイトカインおよびケモカイン動態の網羅的解析
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20K18387
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Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
石井 麻衣 横浜市立大学, 附属病院, 助教 (10868996)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | ベーチェット病 / サルコイドーシス / フォークト・小柳・原田病 / サイトカイン / ケモカイン |
Outline of Annual Research Achievements |
ぶどう膜炎は失明原因の上位を占める難治性疾患である。ベーチェット病、サルコイドーシス、フォークト・小柳・原田病(以下、原田病)は本邦の三大ぶどう膜炎疾患であり、いずれの疾患においても免疫系の異常が発症の要因となる。これらぶどう膜炎疾患で見られる免疫系の異常には、何らかの遺伝要因および環境要因が関与していることが示唆されているものの、ぶどう膜炎の発症のメカニズムは未だ明確に特定されていない。これまでの研究により、ベーチェット病、サルコイドーシスおよび原田病では、サイトカインおよびケモカイン産生の異常が疾患の病態に関与していることが示唆されている。 したがって本研究では、ベーチェット病、サルコイドーシスおよび原田病を対象にサイトカイン、ケモカインおよびそれらの関連因子の産生能を網羅的に調査し、各々のぶどう膜炎疾患におけるサイトカインおよびケモカインの動態を評価する。 2020年度は、日本人のベーチェット病患者50例、サルコイドーシス患者50例、原田病患者50例および健常者50例を対象に、血漿サンプルを実験試料として、サイトカイン、ケモカインおよびそれらの関連因子のアッセイを網羅的に実行し、血漿中の各種サイトカイン、ケモカインおよびそれらの関連因子の定量を行った。その後、サイトカイン、ケモカインおよびそれらの関連因子の産生能を、各々のぶどう膜炎疾患の炎症活動期患者群、非活動期患者群および健常者群の3群間で比較し、各々のぶどう膜炎疾患の炎症活動期または非活動期の患者群において統計学的に有意な産生能の変動を示すサイトカイン、ケモカインおよび関連因子を網羅的に見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
現在までに、日本人のベーチェット病患者、サルコイドーシス患者、原田病患者および健常者について、各々50例ずつを対象としたサイトカイン・ケモカインアッセイを完了し、各々のぶどう膜炎疾患におけるサイトカインおよびケモカインの動態・産生パターンの予備的な解析結果を取得している。 以上より、本研究は当初の研究計画のとおり、「おおむね順調に進展している。」といえる。今後引き続き研究を進めることで、当初の目標を達成できると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
解析目標の検体数(各疾患および健常者:200例ずつ)を念頭に、日本人のベーチェット病患者、サルコイドーシス患者、原田病患者および健常者を対象としたサイトカイン・ケモカインアッセイを進め、各ぶどう膜炎疾患の病態に関与を示すサイトカイン、ケモカインおよび関連因子を特定する。その後、特定したサイトカイン、ケモカインおよび関連因子を対象にパスウェイ解析を実行し、各ぶどう膜炎疾患の病態に関与するパスウェイ(生物学的過程・経路)を特定する。
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