2020 Fiscal Year Research-status Report
オメガ3脂肪酸の加齢黄斑変性に対する抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K18395
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平形 寿彬 順天堂大学, 医学部, 助教 (20843155)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | オメガ3脂肪酸 / 加齢黄斑変性 / マクロファージ / LTB4 / 脂質メディエーター |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はオメガ3脂肪酸の滲出型加齢黄斑変性に対する効果を検証するものである。野生型マウスに、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌を与えたのちに、網膜光凝固誘発滲出型加齢黄斑変性マウスモデルを作成した。免疫染色を用いて加齢黄斑変性の主要な病因となる脈絡膜新生血管の三次元画像解析を行い、脈絡膜新生血管の体積を測定した。結果として、オメガ3脂肪酸食マウス群においてオメガ6脂肪酸マウス食群と比較し、脈絡膜新生血管の体積が小さい傾向にあった。 また、加齢黄斑変性にはマクロファージの関連が指摘されており、マクロファージに発現しているBLT1の遺伝子発現を測定したところ、オメガ3脂肪酸食マウス群ではオメガ6脂肪酸マウス食群と比較し減少した。 以上より、オメガ3脂肪酸食はマウスモデルにおいて滲出型加齢黄斑変性に抑制的に働くことが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はオメガ3脂肪酸の滲出型加齢黄斑変性に対する効果を検証するものである。野生型マウスに、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌を与えたのちに、網膜光凝固誘発滲出型加齢黄斑変性マウスモデルを作成した。免疫染色を用いて加齢黄斑変性の主要な病因となる脈絡膜新生血管の三次元画像解析を行い、脈絡膜新生血管の体積を測定した。また、加齢黄斑変性にはマクロファージの関連が指摘されており、マクロファージに発現しているBLT1の遺伝子発現を測定したところ、オメガ3脂肪酸食マウス群ではオメガ6脂肪酸マウス食群と比較し減少した。マウスモデルの安定した作成に予定より時間を費やしたため、概ね順調に進展している区分とした。
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Strategy for Future Research Activity |
オメガ3脂肪酸が滲出型加齢黄斑変性の発症に関わると仮定した場合、そのメカニズムの解明を目指す。滲出型加齢黄斑変性の発症に関わる、炎症性タンパク、炎症性脂質メディエーターや、新生血管生成に関わる増殖因子について、網脈絡膜内の遺伝子発現について確認する。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの蔓延により、予定通りの実験を遂行することが困難であった。また、予定通りの学会参加も困難な状況にあり、使用額に差が生じた。 使用計画としては、得られている実験結果の再現性を確認するとともに、滲出型加齢黄斑変性の発症に関わる炎症性タンパク、炎症性脂質メディエーターや、新生血管生成に関わる増殖因子について、網脈絡膜内の遺伝子発現について確認する予定である。そのため、実験に使用する、野生型マウス、遺伝子発現の確認するための試薬などの購入を計画している。
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