2022 Fiscal Year Research-status Report
オメガ3脂肪酸の加齢黄斑変性に対する抑制メカニズムの解明
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20K18395
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平形 寿彬 順天堂大学, 医学部, 助教 (20843155)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 / オメガ3脂肪酸 / 脂質メディエーター / マクロファージ / ロイコトリエンB4 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はオメガ3脂肪酸の滲出型加齢黄斑変性に対する効果を検証するものである。野生型マウスに、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌を与えたのちに、網膜光凝固誘発滲出型加齢黄斑変性マウスモデルを作成し実験を行なっている。2021年は滲出型加齢黄斑変性の発症に関わる、炎症性タンパク、新生血管生 成に関わる増殖因子について、網脈絡膜内の遺伝子発現について確認したが、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌の違いによる発現量の差は無かった。 2022年度は、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌の違いによる網膜中の脂質組成の変化が起きているのかを明らかにする実験を行った。具体的には、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌をそれぞれ与えた野生型マウスの網膜中のリン脂質の脂肪酸分子種について質量分析を用いて網羅的定量解析を行なった。結果として、炎症性脂質メディエーターの由来となるアラキドン酸量がオメガ3脂肪酸食で減少した。そのため、オメガ3脂肪酸食は網膜中の炎症性脂質メディエーター産生を低下させることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はオメガ3脂肪酸の滲出型加齢黄斑変性に対する効果を検証するものである。野生型マウスに、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌を与えたのちに、網膜光凝固誘発滲出型加齢黄斑変性マウスモデルを作成し実験に興じている。2022年度は、餌の違いによる脂質組成変化を見ることを目的とした実験を行い、計画通り遂行することができた。しかし、脂質メディエーターの定量解析までは行えなかったので、概ね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
オメガ3脂肪酸が滲出型加齢黄斑変性の発症に関わると仮定した場合、そのメカニズムの解明を目指す。滲出型加齢黄斑変性の発症に関わる、網脈絡膜中に産生され た脂質メディエーターについて、質量分析を用い網羅的に定量解析を行う。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの蔓延により、予定通りの実験を遂行することが困難であった。また、予定通りの学会参加も困難な状況にあり、使用額に差が生じた。 使用計画としては、得られている実験結果の再現性を確認するとともに、滲出型加齢黄斑変性の発症に関わる炎症性脂質メディエーターについて確認する予定である。 そのため、実験に使用する、野生型マウス、試薬などの購入を計画している。
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