2023 Fiscal Year Research-status Report
オメガ3脂肪酸の加齢黄斑変性に対する抑制メカニズムの解明
Project/Area Number |
20K18395
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Research Institution | Juntendo University |
Principal Investigator |
平形 寿彬 順天堂大学, 医学部, 助教 (20843155)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 加齢黄斑変性 / オメガ3脂肪酸 / オメガ6脂肪酸 / 脈絡膜新生血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はオメガ3脂肪酸の滲出型加齢黄斑変性に対する効果を検証するものである。野生型マウスに、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌を与えたのちに、網膜光凝固誘発滲出型加齢黄斑変性マウスモデルを作成し実験を行なっている。2021年、2022年度は、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌をそれぞれ与えた野生型マウスの網膜中のリン脂質の脂肪酸分子種について質量分析を用いて網羅的定量解析を行なった。 結果として、炎症性脂質メディエーターの由来となるアラキドン酸量がオメガ3脂肪酸食で減少した。そのため、オメガ3脂肪酸食は網膜中の炎症性脂質メディエーター産生を低下させることが示唆された。2023年度は滲出型加齢黄斑変性のオメガ3脂肪酸による抑制効果を見るために脈絡膜新生血管体積を確認した。オメガ3脂肪酸食マウスでは、オメガ6脂肪酸食マウスと比較し脈絡膜新生血管体積は減少傾向を認めた。さらに、もう脈絡膜組織中の炎症性脂質メディエーターであるLTB4の受容体であるBLT1発現量もオメガ3脂肪酸食マウスで減少した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究はオメガ3脂肪酸の滲出型加齢黄斑変性に対する効果を検証するものである。野生型マウスに、オメガ6脂肪酸含餌、オメガ3脂肪酸含有餌を与えたのちに、網膜光凝固誘発滲出型加齢黄斑変性マウスモデルを作成し実験に興じている。2023年度は脈絡膜新生血管体積の比較を行い、オメガ3脂肪酸による脈絡膜新生血管抑制効果が示唆された。しかしながら、再現性の確認のために予定した実験がまだ終了していないため、概ね順調の進行とした。
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Strategy for Future Research Activity |
オメガ3脂肪酸が滲出型加齢黄斑変性の発症に関わると仮定した場合、そのメカニズムの解明を目指す。オメガ3脂肪酸による脈絡膜新生血管発生の抑制メカニズムについて検証する。具体的には、脈絡膜新生血管発生に関わる炎症性サイトカインや、血管増殖因子について発現量やタンパク量を確認する。
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Causes of Carryover |
コロナウィルスの蔓延により、予定通りの学会参加も困難な状況であったり、オンライン開催による現地参加でないこともあり、使用額に差が生じた。 使用計画としては、得られている実験結果の再現性を確認するとともに、脈絡膜新生血管発生に関わる炎症性サイトカイン、血管増殖因子について確認する予定である。 そのため、実験に使用する、野生型マウス、試薬などの購入を計画している。
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