2022 Fiscal Year Annual Research Report
Endo180が角膜実質細胞におけるコラーゲン収縮能に果たす役割
Project/Area Number |
20K18401
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
高橋 彩 近畿大学, 奈良病院, 講師 (70460889)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | Endo180 / 角膜実質細胞 / 角膜創傷治癒 / αSMA / uPA / uPAR / TGFbeta / コラーゲン |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、角膜実質におけるEndo180の役割を明らかにすることを目的として行った。uPA遺伝子欠損マウス(uPA-/-)とその野生型マウス(uPA +/+)から分離培養した角膜線維芽細胞をコラーゲンゲル内で培養し、uPAによるEndo180およびuPA受容体 (uPAR)に対する作用が、角膜線維芽細胞のα-SMAの発現に与える影響を検討した。uPA-/-のゲル内培養下ではuPA+/+と比較してα-SMAの発現が増加した。またコラーゲンの存在下で、uPAはEndo180、uPARを切断する働きがあることが明らかになった。さらに、uPA-/-では、TGF-βの産生は亢進し、p-Smad3の発現も亢進していた。抗Endo180抗体で、uPA-/-のα-SMA及びTGF-βの発現は有意に抑制された。この結果は、uPAの欠損がコラーゲンとEndo180の間の相互作用を促進し、TGF-βシグナル伝達を介したα-SMAの発現を増加させる可能性があることを示唆していると考えられた。令和4年度はuPA+/+とuPA-/-マウスの角膜実質に非穿孔性の外傷を作成し、1日後、4日後の組織切片を作成して、創部に発現するαSMA、p-Smad3について蛍光免疫染色で検討した。コントロールでは、αSMA、p-Smad3とも染色されず、αSMA 、p-Smad3共に1日後では uPA+/+とuPA-/-ともに淡く染色され、4日後では増強した。uPA-/- ではuPA+/+と比較して発現の増強がみられた。以上の結果と令和2、3年度の研究結果を総合して、uPAはEndo180とuPARを切断することにより、コラーゲンと角膜線維芽細胞の相互作用を抑制することによりTGF-β/Smad3 signalを減弱させ α-SMAの発現を抑制的に制御している可能性が示唆された。
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Research Products
(1 results)