2020 Fiscal Year Research-status Report
Melanogenesis mechanism of retinal pigment epithelium for age-related macular degeneration
Project/Area Number |
20K18402
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Research Institution | Kawasaki Medical School |
Principal Investigator |
鎌尾 浩行 川崎医科大学, 医学部, 講師 (30388946)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 網膜色素上皮 / メラニン |
Outline of Annual Research Achievements |
細胞は市販されている胎児RPE、mTOR阻害薬はRapamycinを使用した。異なる3つの濃度のRapamycin(0、10、100nM)を添加し胎児RPEの培養を行い、Rapamycin添加1日後の死細胞数と生細胞数を発光試験で測定した。次に100nM Rapamycin添加2週、4週後の色素量を透過率試験、添加1日、3日、4週後のメラニン形成特有遺伝子(MITF、TYR、TYRP1)の発現量を定量PCR、添加4週後に過酸化水素を添加し細胞死への影響をAnnexin V/PIで評価した。Rapamycin添加1日後の死細胞率は、添加なしが0%、10nMが2.2%、100nMが0.9%と3群に有意差を認めなかった。Rapamycin添加1日後の細胞数は、添加なしと比較し10nMは68%、100nMは64%と有意に細胞増殖能が低下した。RPEの透過率は添加なしと比較し、添加前は100%、2週後は96%、4週後は93%と有意にメラニン量が促進した。メラニン形成特有遺伝子の発現量は、MITFが添加3日後は1.9倍、TYRが添加1日後は2.0倍、3日後は2.9倍、4週後は1.4倍、TYRP1が添加1日後は1.9倍、3日後は1.5倍と有意に上昇した。Annexin V陽性細胞は過酸化水素添加により、Rapamycin添加なしが18.8%から21.9%、Rapamycin添加ありが22.0%から38.9%と抗酸化能が有意に低下した。RapamycinはRPEのメラニン形成特有遺伝子の発現を促進させメラニン量を増加させたが、抗酸化能は促進させなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
mTOR阻害薬投与により網膜色素上皮細胞のメラニン量が増加したことを確認したため。
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Strategy for Future Research Activity |
網膜色素上皮細胞を成人由来、細胞株を用いて評価する。
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Causes of Carryover |
計画当初は網膜色素上皮細胞を胎児由来の細胞のみを評価する予定であった。しかし研究が順調に進んでいるため成人由来の網膜色素上皮細胞と細胞株も評価を行うことにし、これらの細胞購入にあてる。
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