2022 Fiscal Year Research-status Report
多能性幹細胞から分化誘導した神経オルガノイドによる末梢神経再建
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20K18409
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
小川 和也 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (10792955)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 末梢神経再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
末梢神経の欠損は、腫瘍切除や外傷などにより生じ、部位に応じた麻痺を起こす。治療法としては、「軸索再建」を目的に、自家神経移植やポリグリコール酸やポリ乳酸製の人工神経(吸収性神経誘導チューブ)が標準治療として行われているが、再生まで時間を要するため、十分な回復が得られないことも多い。本研究は、従来のように軸索構造を再建するのではなく、「神経伝達の機能的再建」を目的として、多能性幹細胞からオルガノイド培養法によって作成した「軸索構造を有する、生きた神経細胞オルガノイド」を神経欠損部に移植する新しい治療的介入方法の確立を目指すものである。一方向性に伸びた軸索を有する末梢神経オルガノイド(神経オルガノイド)は、マウスiPS細胞を末梢神経前駆細胞へと分化誘導させ、シリコンで成形した微小チャンバーおよびマイクロ流路内で非接着3次元スフェロイド培養することで作成できる。既報では、特殊な方法で作製されたマイクロチャンバーを用いているが、作製が容易で、かつ量産でき、さらに滅菌可能な素材として、238℃まで耐熱性をもつハイテンプ樹脂を素材をとすることとした。マイクロチャンバー内の溝は、既報よりも大きなオルガノイドが形成できるように深さ500μm、幅を400μmとし、長さは16mm、両端の円径の培養チャンバーは直径3mmの円とし、これを3Dプリンターでデザインし作製した。また、作製したチャンバーに液体を注入し、チャンバー内が液体で持続的に満たされること、高圧蒸気滅菌に耐えうることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
滅菌可能で作製が容易なチャンバーのデザインに時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
実際にiPS細胞から分化させた神経細胞をスフェロイド培養し、マイクロチャンバーに移して軸索を伸ばすことで設計通りの生きたオルガノイドを形作ることを目標とする。
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Causes of Carryover |
細胞培養のためのマイクロチャンバー作製に時間を要し、研究の進行が遅れており、次年度使用額が生じた。
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