2021 Fiscal Year Annual Research Report
フコイダンによる脂肪幹細胞再生能促進を介した新規下肢虚血治療の開発
Project/Area Number |
20K18412
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
森田 真紀 鳥取大学, 医学部附属病院, 医員 (60838407)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | フコイダン / 脂肪幹細胞 / 血管新生 / VEGF / eNOS / NO / HUVEC |
Outline of Annual Research Achievements |
フコイダン経口投与と脂肪幹細胞の局所投与それぞれが血管新生作用に及ぼす影響について各実験系での検討を行った。 まず、フコイダンの生物学的作用はその分子量に依存しており、20-30kDaのフコイダンが報告されており、これらは虚血肢の血管新生を刺激することがわかった。我々は、モズク(オキナワモズク科の褐藻類)から超高分子フコイダン(HMWF)を精製し、その血管新生に対する作用を評価した。具体的にはマウス虚血肢モデルにおいて、モズクHMWF(300kDa)およびアカモクHMWF(80kDa)の血管新生作用を、レーザードップラー血流(LDBF)および毛細血管密度の測定によって検討した。また、モズクHMWFを虚血前後に投与した場合の血管新生作用を虚血後投与と比較検討した。モズクHMWFは虚血下肢のLDBFと毛細血管密度をともに増加させたが、アカモクHMWFは増加させなかった。モズクHMWFを虚血前後に投与すると、LDBFと毛細血管密度の両方が増加し、これは虚血後投与だけでは見られなかった。これらのデータから、虚血肢におけるモズクHMWFの治療効果は、投与タイミングが重要であることが明らかになった。ADSCsの血管新生作用についてはこれまでにも報告があるが、メカニズム究明のためにin vitroでの各検討を行った。具体的には血管内皮細胞で見られるPhosphatidyl-inositol 3 kinase経路におけるNO産生量が及ぼす血管新生作用について調べた。虚血環境を仮定した低酸素条件下においてADSCsが血管内皮細胞に対してVEGFタンパク産生を促進し、eNOS産生、NO産生を促進して管腔形成を促進したことが分かった。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] Angiogenic effects of high molecular weight fucoidan in a mouse ischemic limb model2021
Author(s)
Maki Morita, Shinobu Sugihara, Yumiko Inoue, Yoshiko Suyama,, Tomomi Notsu, Yasutaka Yamamoto, Hiromi Sakaguchi, Kohei Fukuoka, Yusuke Endo, Atsuro Koga, Hitoshi Kawamoto, Minoru Funakoshi, Yasunari Miki, Shunjiro Yagi, Haruaki Ninomiya, Ichiro Hisatome,
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Journal Title
Vascular Failure
Volume: 4
Pages: 61-67
Peer Reviewed / Int'l Joint Research
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