2021 Fiscal Year Research-status Report
Research for a flap monitoring system which catches changes in the form of blood vessels under a subcutaneously inserted microscope.
Project/Area Number |
20K18416
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Research Institution | Dokkyo Medical University |
Principal Investigator |
倉林 孝之 獨協医科大学, 医学部, 講師 (60513231)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 皮弁 / 遊離移植 / 血行モニタリング / 赤外光 / 血管形状 |
Outline of Annual Research Achievements |
マイクロサージャリーにより必要とされる組織(皮弁)を体の自由な場所に充填できるようになった。皮弁壊死を阻止するため血管閉塞の早期発見が何よりも重要であり、信頼できる術後血行モニタリングが望まれている。そこで本研究では皮弁の裏面に小型顕微鏡を挿入して微細血管の形状変化をとらえることで血管閉塞を判定する皮弁下挿入式の新しいタイプの血行モニタリングデバイスの開発を目指す。ラットの皮弁裏面の微細血管像を顕微鏡で焦点距離の限界まで近接させて収集し皮弁を栄養する主要血管を閉塞させた前後における皮弁内血管の形状変化の特徴量を抽出し、比較検討する。そして血管閉塞の検知に適した特徴変化を有するかを明らかにする。実際の皮弁のモデルとしてWistar系ラットにおける浅腹壁動静脈が支配領域となる腹部の島状皮弁を利用する。当皮弁モデルの実験にはまず皮弁の裏面を観察対象とする顕微鏡カメラからなる観測器材の組立とシステムの確立が必要である。画像観測は反射光方式とし、照射光は自然光と近赤外光の2種類を採用する。顕微鏡と皮弁の間に焦点距離の高さの透明なガラスを挿入し皮弁裏面に接着させる。2020年度は主に顕微鏡カメラからなる観測器材の組立とシステムの構築を行った。顕微鏡カメラのレンズは被写体にほぼ垂直となるように固定した。顕微鏡カメラの周囲に近赤外光LEDを装着し、被写体を明瞭にとらえる際の光の反射が起こらないような照射の調節を行った。顕微鏡カメラはパソコンと連結し、被写体画像をビデオで記録できるようにした。2021年度は実際にラットの皮弁裏面の微細血管像を撮影しデータ収集を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
前年度に購入した自然光顕微鏡に初期不良が判明した。メーカーとの交渉で新しいものと交換されたが、時間を要した。その間、別途に購入した近赤外光LED小型顕微鏡による観測器材の組立も行い、自然光と近赤外線の2系統の観察システムが確立された。ラットの皮弁裏面の微細血管像を皮弁を栄養する主要血管を閉塞させた映像データを収集した。映像記録の際にコードの接触が途絶えるなどでデータが不完全となってしまうものが生じた。コード系統の見直しを行い、データをさらに収集する必要性がある。
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Strategy for Future Research Activity |
観測器材の調整を行いラットの皮弁裏面の微細血管像のさらなる収集をはかる。大腿動脈、大腿静脈のそれぞれを血管クリップで摘み(クランプ)、血管を閉塞させた状態を作る。血管閉塞のパターンは動脈のみの閉塞、静脈のみの閉塞、動脈及び静脈の同時閉塞の3パターンで行う前年度の方法を踏襲する。血管の閉塞の前後で皮弁内血管の観察を行い、画像データを収集する。画像データをMathWorks社の数理解析ソフトウェアであるMatlabで処理し、血管閉塞を捉える適切な画像処理の方法を確立する。まず、収集されたデータの血管描出部位の区画抽出を行い、ノイズ除去と画像の鮮明化を行う。次に、特徴点及び特徴量を取り出すために適した画像処理法の開発を行う。画像処理を駆使しても必要な情報量が得られない場合は顕微鏡カメラの設置方法や照明方法にフィードバックする。血管閉塞検知プログラムの確立と有効性の検討を行う。血管閉塞前後の画像の特徴量を数値化して抽出し比較検討することで血管閉塞を認識するためのアルゴリズムを考案する。血管閉塞前後の特徴量の変化が有意であるかをt検定で判断し、さらにその特徴量における有効なカットオフ値が設定できるかを明らかにする。次に皮弁内血管の形状変化のパターンを数値化し、設定したカットオフ値を超えるまたは下回った場合に血管閉塞と判定するプログラムを開発する。プログラムはMathWorks社の数理解析ソフトウェアであるMatlabで作成する。つづいて、再びラット壁皮弁を用いて血管閉塞検知プログラムの有効性の検討を行う。顕微鏡カメラで皮弁内血管をビデオモニタリングし、血管を閉塞させた際にプログラムで検知できるかを明らかにする。以上の成果をまとめ、皮弁下挿入式の血管の形状変化をとらえる新しい血行モニタリングシステムの開発を行う。
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Causes of Carryover |
研究に遅れが生じ、皮弁血管データの収集が十分でなかった。さらなるデータ収集のための実験消耗品の購入費、皮弁血管の形状変化のパターン判定のための解析作業に必要な物品の購入費、研究成果の報告に必要な経費として使用する計画である。
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