2021 Fiscal Year Annual Research Report
皮膚付属器含有皮膚細胞混濁液による皮膚潰瘍治療システム構築
Project/Area Number |
20K18420
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
藤原 綾乃 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 助教 (80815952)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 皮膚細胞混濁液 / 創傷治癒 / 皮膚再構築 |
Outline of Annual Research Achievements |
瘢痕(傷あと)は脂腺や汗腺、毛包などが欠損し真皮が線維化することにより機能的に正常皮膚に劣ることに加え、これら皮膚付属器の欠如により肌理(キメ)が乱れることにより整容的(見た目)にも目立つ。本研究は少量の皮膚から表皮、真皮に加え皮膚付属器を含めた細胞混濁液を作成し移植することで、皮膚付属器を含めた真皮及び表皮の再構築を行うことが目的である。 本研究ではまずC57Bl/6Jマウス(オス、8週齢)の背部皮膚を使用し皮膚付属器を含んだ細胞混濁液を作成する条件の検討を行った。コラゲナーゼ、ディスパーゼ、トリプシン等を使用し皮膚細胞混濁液を作成した。さらにインキュベート温度、酵素反応時間の検討を行い、結果的に1%コラゲナーゼにて37℃60分で処理する方法とした。 次に移植方法としてchamber法、flap法、patch法、腎被膜下移植法で検討しchamber法が最も有効であった。3Dプリンターを使用し作成したchamberを使用して移植実験を行った。GFP導入のC57Bl/6Jマウス皮膚組織を移植することで生着を確認しつつ、移植細胞の個数、及び皮膚細胞混濁液を作成するGFPマウスの週齢の検討を行った。その結果、移植細胞は5×106個以上があることが望ましいことが分かった。皮膚採取するマウスに関して、胎生14日、16日、18日、生後0日、4週齢、8週齢で検討を加えたところ、生後のマウスでは細胞の生着率が悪いことが判明した。また胎生マウスから採取した皮膚細胞混濁液では付属器を含めた皮膚再構築が起こるのに対し、4週齢以降のマウスでは付属器の再構築が困難であった。
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