2020 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K18423
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
新美 陽介 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70749457)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 神経端側縫合 / 脂肪幹細胞シート / ラット顔面神経麻痺モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は脂肪幹細胞シートを用いた顔面神経再建法の確立である。 Bell麻痺などの顔面神経不全麻痺に対して、顔面神経本幹と舌下神経の間に自家神経を端側 縫合で架橋するinterpositonal jump graft(IPJG)は臨床で広く行われている術式である。しかしながら移植される神経は5-7cmと長く、移植神経の再生不良、ターゲットとなる顔面表情筋や神経筋接合部の萎縮、病的共同運動など様々な課題がある。長距離の神経をいかに短時間で良好に再生させるかが神経再生の鍵となる。神経再生を促進すると期待されている脂肪幹細胞(ASCs)は、多くの報告はあるものの、移植した神経への投与方法は確立されていない。そのため投与されたASCsがどのように移植神経へ作用し、どれほどの効果があるのかはいまだ不明である。一方、東京女子医科大学早稲田大学先端生命医科学研究所(TWINs)は細胞シート工学を用いた再生医療の実験を得意としており、ASCsをシート状に作成することはすでに成功している。申請者はシート状の幹細胞は、細胞浮遊液で播種する幹細胞にくらべて効率よく移植神経に作用するのではないかと仮説をたて、今回それを立証するためにラットに自家神経を用いたIPJG(コントロール群)とASCsシートの移植(ASCsシート群)を作成し、術後13週目に組織学的、生理学的な検討を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はコントロール群の移植実験を行なった。吸入麻酔下に8週齢ルイス系ラットの左耳後~下顎下縁切開にて顔面神経本幹と舌下神経を露出し、顔面神経本幹をligature clipにて圧挫し左顔面神経不全麻痺モデルを作成した。移植神経として長さ7mmの同側大耳介神経採取し、顕微鏡下に顔面神経本幹と舌下神経間を端側縫合によるIPJGを行った。ラット脂肪幹細胞の作成も順調に行なっている。ラット鼠径部皮下脂肪を0.075%コラゲナーゼ処理して得られるstromal vascular fraction(SVF)から通常の付着培養皿にて継代したASCsを作成することに成功した。毎週顔面神経スコアーを作成している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後はASCsシートの作成を行い、IPJG移植モデルにASCsシートの移植を行う治療群の作成を行う。 術後13週で複合誘発筋電図(CMAP)、トルイジンブルー染色、電子顕微鏡撮影、逆行性トレーサーを用いた両群の組織学的、生理学的比較検討を行う。
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Causes of Carryover |
年度内に移植13週である実験終了にいたらなかった。来年度より組織学的検査、生理学的検査を行なうためその検査代が必要である。
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