2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K18423
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Research Institution | Tokyo Women's Medical University |
Principal Investigator |
新美 陽介 東京女子医科大学, 医学部, 講師 (70749457)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 顔面神経再生 / 脂肪幹細胞 / 温度応答性培養皿 / ASCs sheet / ラットモデル / 端側神経縫合 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は脂肪幹細胞シートを用いた顔面神経再建法の確立である。 Bell麻痺などの顔面神経不全麻痺に対して、顔面神経本幹と舌下神経の間に自家神経を端側縫合で架橋するinterpositonal jump graft(IPJG)は臨床で広く行われている術式である。しかしながら移植される神経は5-7cmと長く、移植神経の再生不良、ターゲットとなる顔面表情筋や神経筋接合部の萎縮、病的共同運動など様々な課題がある。本実験ではラット鼠径部より採取した皮下脂肪を温度応答性培養皿を用いて培養、作成したシート状の脂肪幹細胞(以下ASCsシート)を移植神経上に移植し、コントロール群と比較して神経再生が促進されるかどうかを検討した。ラットの顔面神経麻痺不全モデルにIPJGを行い、ASCs移植群とコントロール群を作成した。術後13週の移植神経の組織学的検討ではASCsシート群はコントロール群と比較して優位にミエリン数が多く、生理学的検査においても有意に優れた結果であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度はASCsシートの移植実験を行なった。吸入麻酔下に8週齢ルイス系ラットの左耳後~下顎下縁切開にて顔面神経本幹と舌下神経を露出し、顔面神経本幹をligature clipにて圧挫し左顔面神経不全麻痺モデルを作成した。移植神経として長さ7mmの同側大耳介神経採取し、ASCsシートを移植神経に巻き付けるように移植した後、顕微鏡下に顔面神経本幹と舌下神経間を端側縫合によるIPJGを行った。毎週顔面神経スコアーを観察し、術後13週において、複合筋活動電位を測定後に移植神経を採取し、組織学的検討を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
ASCs群の電子顕微鏡解析を行う。またASCsシート群が優れていた理由のメカニズム解明を行う。具体的にはGFPラットを用いてASCsシートを作成し、同様の移植実験を行い、GFP-ASCsシートのdistributionテストを行う。
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Causes of Carryover |
電子顕微鏡解析、GFPラット実験使用に必要な経費
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