2022 Fiscal Year Annual Research Report
低細胞毒性の界面活性剤が有する細胞増生促進作用の研究
Project/Area Number |
20K18436
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
石田 泰久 神戸大学, 医学研究科, 医学研究員 (10457062)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 両親媒性界面活性剤 / 線維芽細胞 / 細胞増生 / 創傷治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
両親媒性界面活性剤は油脂への洗浄効果を有しており、また高濃度では細胞毒性を呈する。両親媒性界面活性剤の一部は高濃度でも細胞毒性を呈さない性質があり手指の洗浄剤やコンタクトレンズの洗浄液など生活や臨床において様々な場面で使用されるが、申請者が属すグループは両親媒性界面活性剤のPluronic F68を細胞培養の培地に添加することで細胞増殖が促進され、また高濃度でも細胞毒性を呈さないことを明らかにしてきてた。ヒト培養線維芽細胞を96ウェルディッシュに播種しPluronic F68と塩基性線維芽細胞増殖因子を添加して3日間細胞培養したところ細胞増殖が促進される結果となった。またヒト培養線維芽細胞を塩基性線維芽細胞増殖因子のみ添加し培養したものと、塩基性線維芽細胞増殖因子とPluronic F68を添加し培養したものを比較したところPluronic F68を添加している群の細胞増殖がより促進されることを確認した。 上記の現象が生じるメカニズムを明らかにするべく繊維芽細胞を「bFGFのみ」および「bFGF+Pluronic F68」で濃度勾配をつけて刺激し、pERK、ERKの量を計測することで細胞増殖の活性化の程度を調べることとした。それぞれの条件において電気泳動を用いてpERK、ERKの量の計測を行った。試薬濃度を調整しながら様々な条件で計測したが、いずれにおいても有意な所見を得ることはできなかった。 以上のことからPluronic F68は細胞増殖を促進する作用があることは明らかではあるが、そのメカニズムまでは解明することはできなかった。
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