2021 Fiscal Year Annual Research Report
脂肪由来幹細胞の生体内系譜追跡を用いた皮膚放射線障害の病態解明と新規治療法の開発
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20K18441
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Research Institution | Jichi Medical University |
Principal Investigator |
森下 悠也 自治医科大学, 医学部, 臨床助教 (60860872)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 放射線潰瘍 |
Outline of Annual Research Achievements |
Prx1発現細胞特異的にCre recombinaseを発現するPrx1Creマウスと、Cre recombinaseを発現した細胞において赤色蛍光色素Ai14を発現するRosa26-LSL- tdTomatoマウス(Ai14マウス)、I型コラーゲン発現細胞がEGFPを発現するCol1/EGFPマウスを交配することにより、Prx1発現細胞に由来する細胞がtdTomatoを恒久的に発現し、なおかつI型コラーゲン発現細胞がEGFPを発現するPrx1Cre;Ai14;Col1/EGFPマウス(PAGマウス)を作製した。PAGマウスの鼠径脂肪より脂肪由来幹細胞(tdTomato陽性ADSCs)を抽出・培養し、温度反応性ディッシュを用いて細胞シート(tdT-ADSCシート)を作製した。Wildマウスの背部の皮膚をつまんで体幹より隔離した状態で40Gy/20daysにて放射線を照射することにより、皮膚放射線障害モデルを作製した。作製した放射線障害部の皮膚を組織学的に観察したところ、血管数が減少していた。また、ドーナツ状鉛板を用いて鼠径部のみを露出し、鼠径部皮膚と皮下脂肪に放射線を照射することにより皮膚放射線潰瘍モデルを作製した。tdT-ADSCを放射線障害部に注入移植し、移植後の組織を1,4,8週間後に蛍光免疫染色にて観察した。皮下にtdTomato陽性GFP陽性の細胞を認め、移植したtdTomato陽性ADSCsが放射線障害の修復過程におけるコラーゲン生成に寄与していることが示された。コロナ禍による研究制限により、一時的に遺伝子改変マウスの繁殖を、維持のみを目的とする匹数まで減らしたため、詳細な解析や細胞シートの移植はできなかった。
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