2021 Fiscal Year Research-status Report
nanoPGA / PCL含有複合型吸収性スカフォールド の軟骨再生誘導について
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20K18451
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Research Institution | Kindai University |
Principal Investigator |
山内 誠 近畿大学, 医学部, 講師 (90438060)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 組織再生 / 軟骨培養 / 小耳症 |
Outline of Annual Research Achievements |
複合型吸収性スカフォールドの表面改質が軟骨基質の産生に及ぼす影響の検討 エタノール処置した複合型吸収性スカフォールドとエタノール処置を行っていないスカフォールド (コントロール群) にヒト立ち耳から単離した軟骨細胞を播種し、無胸腺マウスの背部皮下に移植し、移植後 10 週に標本採取し、複合型吸収性スカフォールドの表面改質が軟骨基質の産生に及ぼす影響について、肉眼所見、組織学的所見、遺伝子発現について検討した。組織学的検討は、細胞を播種した複合型吸収性スカフォールドの移植後 10 、20週目に、トルイジンブルー染色、Safranin O 染色、 Verhoeff 染色にて行った。肉眼所見および組織学的検討では、コントロール群では、軟骨再生はスカフォールドの一部に限局して観察され、軟骨形成は全体的に不良な印象であったが、エタノール処理群では、スカフォールド表面は軟骨組織で覆われており、nanoPGA領域の一致して再生軟骨が観察された。一方、両群ともスカフォールド内部はSafranin OおよびVerhoeff染色に陰性であり、軟骨再生を認めなかった。スカフォールド表面部の再生軟骨を比較したが、両群での組織学的差異は認めなかった。 遺伝子発現は、採取された再生組織における軟骨関連遺伝子 (Type II collagen,Elastin,SOX 5) およびアポトーシス関連遺伝子 (Caspase 8,Caspase9,IL-1α) の発現を,定量的 RT-PCR 法にて解析した。エタノール処理により、Type Ⅱ collagen、Elastin、SOX5、Caspase 8、Caspase 9の発現は亢進する傾向を示した。特に、SOX5は有意に発現亢進を示し、IL-1αの発現は有意に低下した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナの環境下のため、研究が予定通りに進まなかったが、研究計画書の予定とほぼ同等に進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
複合型吸収性スカフォールドの表面改質が軟骨被覆率に及ぼす影響の検討 前年度と同様の標本を使用し、さらに軟骨基質の産生と軟骨被覆率の検討を行う.Safranin O 染色された軟骨再生の面積比およびスカフォールドが再生軟骨により被覆される軟骨被覆率を調査する。画像解析ソフトウェア (Image J; National Institutes of Health) を用いて Safranin O 染色陽性領域の平方ピクセル値がスカフォールド全体のピクセル値に占める割合を再生軟骨面積比として算出し検討する。また再生軟骨によるスカフォールド被覆率 (軟骨被覆率) は,スカフォールド全体の外周長に対する軟骨再生が観察された長さ (ピクセル距離) の割合を軟骨被覆率として計測し検討する。
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Causes of Carryover |
コロナ環境下のため、学会参加や研究に制限が加わったため 差異が生じた分の使用計画については、RCRキットやプライマーの購入、免疫染色試薬の購入などの消耗品などに使用する予定である。
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