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2020 Fiscal Year Research-status Report

Identifying the novel mechanism regulating the neural circuits of anxiety

Research Project

Project/Area Number 20K18454
Research InstitutionNiigata University

Principal Investigator

飯田 和泉 (渡辺和泉)  新潟大学, 医歯学系, 助教 (80751031)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2022-03-31
KeywordsGluK3 / カイニン酸型グルタミン酸受容体 / 不安 / 遺伝子改変マウス
Outline of Annual Research Achievements

「不安」は恐怖や危険から回避するために備わっている心身の防御システムである。不安は我々にとって身近な精神状態であるが、その発現と制御機構はほとんどわかっていない。申請者は、興奮性神経伝達物質の受容体の一つであるカイニン酸型グルタミン酸受容体の機能解明をするべく研究を行っている中で、抑制性神経細胞のGluK3サブユニットを欠失したマウスで不安が減少することを発見した。またGluK3は前頭前皮質に強く発現することやGluK3 を抑制性神経細胞で欠損させると抗不安行動を発現することから、「扁桃体から刺激を受けた前頭前皮質の抑制性神経細胞のカイニン酸受容体GluK3サブユニットが不安を制御する本体である」という仮説をたてた。
そこで扁桃体が前頭前皮質のGluK3陽性抑制性神経へ神経接続していることを可視化できる遺伝子改変マウスの作製に着手した。このマウスは、GluK3の開始メチオニンの直下にCre依存的にmtTAを発現する配列をつないだ。
しかし、GluK3遺伝子改変用のターゲティングベクターの作製において、GluK3開始メチオニンの5’側の配列が1Kbpに渡ってGC rich領域であったため、この部位に直接ノックイン配列を挿入することが出来ず苦戦した。そこでPCRによって増幅したGluK3開始メチオニンの5’側の配列8.5Kbpを複数回に分けてターゲティングベクターへクローニングする方針に転換した。作製したターゲティングベクターはC57BL6/N由来のES細胞にエレクトロポーレーションで導入し、遺伝子改変されたES細胞は得られており、これをマウスの受精卵に移植するところまで進んでいる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

GluK3遺伝子改変用のターゲティングベクターの作製において、GluK3開始メチオニンに直接ノックインすることが出来ず苦戦したため、実験がやや遅れている。
ターゲティングベクター作製は当初の計画通り、BACからクローニングしたGluK3ゲノムの開始メチオニン部位に、Cre依存的にmtTAを発現するカセットを相同組み換えで挿入したが、GluK3開始メチオニン直前の配列が1Kbpに渡ってGC rich領域があったため、挿入できないことが分かった。そこで方針を変えて、ターゲティングベクターのアーム部分とノックイン領域を相同組み換えでつなげるのではなく、PCRで産生したアームをノックイン領域が入ったベクターにクローニングして作製することにした。

また、これまでのGluK3の役割をまとめた論文用の実験を行ったために、実験が遅れている。

Strategy for Future Research Activity

昨年度はGluK3遺伝子改変マウスの作製を進めた。今年度からは、扁桃体から前頭前皮質への入力を可視化するために、作成したマウスの扁桃体にウイルスベクターを感染させ、ウイルスが感染伝播した前頭前皮質の神経細胞のうち、GluK3を発現する抑制性神経細胞だけを蛍光標識させる。
次に扁桃体からの入力を受けた前頭前皮質のGluK3陽性抑制性神経細胞の活性化が不安行動を発現することを確認するために、光遺伝学を用いて神経細胞の活動を操作する。光で活性化されるイオンチャネルを発現するウイルスベクターを上記の実験と同様にtTA発現マウスの扁桃体に導入する。感染した神経細胞がtTAを発現していれば、光活性型イオンチャルが発現誘導される。作製したマウスの前頭前皮質に光ファイバーを挿入し、光でイオンチャネルを活性化すると、チャネルを発現した神経細胞が興奮する。これにより、扁桃体と神経接続する前頭前皮質のGluK3陽性抑制性神経細胞のみを活性化した時に不安行動が誘導されるのかを高架式十字迷路で確認できる。
また、扁桃体が前頭前皮質のGluK3陽性抑制性神経へ神経接続していることを明らかにするために、前実験としてGluK3が前頭前皮質の抑制性神経細胞に発現するのか、GluK3 mRNAと抑制性神経細胞マーカーであるGAD1 mRNAのIn situハイブリダイゼーションを行い、共局在がみられるのか確認する。この結果によっては、当初の予定の前頭前皮質だけに標的を絞らず、他の領域に解析の幅を広げることも可能となる。

Causes of Carryover

昨年度は学会発表のための旅費を使わなかったため、次年度使用額が生じた。

今年度はマウス手術用の脳内インジェクションセットの購入を計画している。

  • Research Products

    (3 results)

All 2021 2020

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] A comparative analysis of kainate receptor GluK2 and GluK5 knockout mice in a pure genetic background2021

    • Author(s)
      Iida Izumi、Konno Kohtarou、Natsume Rie、Abe Manabu、Watanabe Masahiko、Sakimura Kenji、Terunuma Miho
    • Journal Title

      Behavioural Brain Research

      Volume: 405 Pages: 113194~113194

    • DOI

      10.1016/j.bbr.2021.113194

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Journal Article] Disruption of dystonin in Schwann cells results in late‐onset neuropathy and sensory ataxia2020

    • Author(s)
      Horie Masao、Yoshioka Nozomu、Kusumi Satoshi、Sano Hiromi、Kurose Masayuki、Watanabe‐Iida Izumi、Hossain Ibrahim、Chiken Satomi、Abe Manabu、Yamamura Kensuke、Sakimura Kenji、Nambu Atsushi、Shibata Masahiro、Takebayashi Hirohide
    • Journal Title

      Glia

      Volume: 68 Pages: 2330-2344

    • DOI

      10.1002/glia.23843

    • Peer Reviewed
  • [Presentation] カイニン酸型グルタミン酸受容体サブユニットGluK2及びGluK5サブユニット欠損マウスの行動解析2020

    • Author(s)
      飯田和泉
    • Organizer
      第50回日本神経精神薬理学会年会・NPBPPP合同年会

URL: 

Published: 2021-12-27  

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