2022 Fiscal Year Research-status Report
口腔粘膜における光受容機序を探る~光受容タンパク質の作用~
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20K18456
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Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
楠元 順哉 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (00870205)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 光受容 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、口腔粘膜で光受容タンパク質であるOPN類が発現しているか、またその機能にちなんで光応答しているかを明らかにすることを目的とした。 まず、口腔粘膜培養細胞ならびに患者から得られた手術検体を用いて、OPN類の遺伝子発現の有無をシーケンス解析で確認した。その結果、少なくともOPN2,3,4は口腔粘膜に発現していることが明らかにできた。次に、口腔粘膜培養細胞におけるOPN類の発現量の違いを、細胞種ごとにリアルタイムPCRで定量解析したところ、現時点ではOPN3の発現量が最も多く、また細胞種によって異なることを明らかにした。これには、皮膚と共通の構成細胞(keartinocyte、fibroblast)とも比較を行っている。一方、組織においても定量解析を行い、OPN3が最も多く、OPN4もほぼ同等に高い発現量を示した。口腔粘膜と顎下腺とでは、各OPN類の発現量は組織間で差異があった。 以上、口腔粘膜でのOPN類の発現については確認することができた。引き続き、精度を上げて実験を行っていく。 さらに、顎下腺からprimary cultureを行い、唾液腺細胞のvitro実験も開始することができた。 機能面については、歯肉線維芽細胞でOPN3のknockdownを行ったところ、knockdown効率は安定して90%以上であった。これにより、現在青色光を照射した際に、aSMAの発現量にどのような影響があるか、検討中である。また、光照射によるシグナル伝達の解析も進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
2021年は著しい体調不良(原因不明の蕁麻疹、倦怠感等)に見舞われたため、実験がほとんど行えていない。医療機関を受診し、治療を行ってきた。 2022年は、体調不良は軽快してきており、現在遅れを取り戻すために日々実験を行ってきた。 2023年に入り、さらに実験時間を確保し、現在結果の解析を進めつつ、日々実験を行っている。
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Strategy for Future Research Activity |
体調不良は大方改善し、現在、遅れを取り戻すためエフォートをなるべく増やして実験を行っている。 まずは発現の有無についての実験から行い、現在ほぼ終了している。 また、歯肉線維芽細胞のOPN3に対するknockdown実験を行い、青色光照射によるaSMAの発現量を解析中である。 今後は、機能(光応答)を明らかにするための実験に移行し、歯肉線維芽細胞ならびに顎下腺細胞のknockdown実験を進めている段階である。
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Causes of Carryover |
前倒し請求も行ったことによるものと考える。 学会発表と論文作成に使用する予定。
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