2023 Fiscal Year Annual Research Report
骨と歯の恒常性維持機構におけるグルココルチコイドの機能解析
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20K18465
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
畔津 佑季 昭和大学, 歯学部, 助教 (00812190)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | グルココルチコイド / 骨代謝 / メダカ / in vivoイメージング / 破骨細胞 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、硬組織の恒常性維持に対するグルココルチコイド(GC)の生理的機能の一端を明らかにすることである。申請者は前年度、GC受容体(GR)と新規因子のトリプル欠損メダカ(GR1/GR2/新規因子欠損メダカ)を作製して、尾ヒレの骨折修復過程における骨芽細胞や破骨細胞の動態解析と、マウス由来の培養骨芽細胞に対するGC製剤の作用を解析した。本年度は下記の実験を行い、得られた研究成果を用いて現在論文を執筆中である。 ①GRおよび新規因子の遺伝子欠損がGR下流遺伝子発現に及ぼす影響の解析 GR下流遺伝子は野生型メダカにGC製剤投与すると発現上昇したが、GR1とGR2のダブル遺伝子欠損メダカ(GR1/GR2欠損メダカ)やGR1/GR2/新規因子欠損メダカに投与すると発現上昇が阻害された。また新規因子のシングル欠損メダカにGC製剤を投与しても野生型と同様にGR下流遺伝子発現が上昇したことから、新規因子はGR下流遺伝子の発現にほとんど影響を及ぼさないことが示唆された。 ②骨折修復過程の骨形成と骨吸収に対するGRおよび新規因子の作用解析 尾ヒレの骨折修復過程で生じる骨形成はGR1/GR2/新規因子欠損メダカでのみ促進した。一方、骨リモデリング期で生じる骨吸収はGR1/GR2欠損メダカとGR1/GR2/新規因子欠損メダカの両方で促進し、骨の吸収量はGR1/GR2/新規因子欠損メダカのほうが多かったため、骨折修復過程の骨形成は新規因子が、骨吸収はGRと新規因子の両方が抑制的に作用することで正常な骨修復を制御していることが示唆された。
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Research Products
(20 results)