2021 Fiscal Year Research-status Report
う蝕象牙質に対する修復治療の予後向上を目指した多面的基礎研究
Project/Area Number |
20K18495
|
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
松本 真理子 北海道大学, 大学病院, 助教 (30733969)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
|
Keywords | う蝕象牙質 / 保存修復 / レジン / 接着 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、う蝕の修復処置のより良い長期予後を獲得していくために、まずう蝕罹患象牙質の歯質に関して物性の評価を詳細に行うことにより、う蝕罹患象牙質―レジンの接着が阻害される要因を明らかにすることである。そのために、様々な状態のう蝕象牙質を対象として形態学的、機械的および化学的分析評価を詳細におこない、それぞれの相互関連を明らかにしていく計画である。 う蝕罹患象牙質表層の硬さについては、昨年度はKnoop Hardness、Vickers Hardness testであったが、本年度は新たにカリオテスターを用いて評価を行うために、まず健全歯を使用して測定評価を行なった。現段階ではまだパイロット試験レベルであり、実際に評価できるかの検討を行なっている段階である。今後う蝕罹患象牙質を含めて評価していく。 また、う蝕象牙質内の結晶内微細構造、結晶化度や結晶相、結晶格子変化についての分析を行うためのμRamanとX-ray diffraction analysesによりを行っていくが、前年度から使用する器材が変更となったため、健全象牙質とう蝕罹患象牙質を用いて測定を開始し、過去の報告と比較しながら有用性を検討している。 形態学的評価については包埋方法をこれまでの加熱重合から常温重合レジンでの包埋に変更し、走査型電子顕微鏡観察を進めていく段階である。接着試験に関しては、微小剪断試験の機器が整った状態で、今後実際の測定を開始していく。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
当初の計画から使用できる機器の状況が変わり、新たに使用できる有効な機器の探索が必要であった。またコロナにより、使用機器を使用するための講習受講や、利用時間の制限があり、進行が遅れている。
|
Strategy for Future Research Activity |
今後は、現在使用可能な機器であるカリオテスターでの硬さ試験、μRamanやXRDによる結晶解析、走査型電子顕微鏡観察、接着試験を並行して行いながら、当初行う予定であった、Knoop硬さ試験のLineScanによるデータが取れる機器の探索を行なっていく。
|
Causes of Carryover |
コロナにより実験遂行環境の変更、および研究機器の探索に時間を要しており、研究の遂行に遅れが生じているため。 次年度は現在の状況で使用できる機器を活用しながら継続していく予定である。
|