2022 Fiscal Year Research-status Report
糖尿病を伴った慢性歯周炎へのレスベラトロールに着目した創薬プラットフォームの構築
Project/Area Number |
20K18500
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
池田 恵莉 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 特任助教 (40822565)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯周炎 / レスベラトロール |
Outline of Annual Research Achievements |
ヘルパーT (Th)細胞は免疫機能において、他の免疫細胞を活性化するメディエーターとして重要な役割を担っている。縫合糸を臼歯に結紮することにより炎症誘発した歯周炎モデルマウスでは、歯周組織において、炎症に関与するTh17が集積すること、さらに制御性T細胞 (Treg)が減少することが知られている。レスベラトロール(RSV)はポリフェノールの一種で、種々の健康促進作用が知られている。我々の先行研究でも、歯周炎モデルマウスにおいて、RSVが歯槽骨の吸収抑制や炎症性サイトカイン発現を減少させることを報告した。本研究では、RSVの歯周組織の治癒作用に、Th細胞が関与しているのではないかと考え、歯周炎モデルマウスの歯周局所のTh細胞組成に対するRSVの効果を明らかにすることを目的として実験を行った。 BALB/C野生型マウスをランダムに3群に分け、うち2群のマウスに、9-0絹縫合糸を上顎両側第二臼歯の歯肉溝に結紮し、結紮糸周囲に1μgのLPS(1ul)を塗布して炎症を誘発した。結紮日及びその3日後におよそ200ug のRSV2量体(10mg/kg 体重当たり)を腹腔内注射した (RSV群)。対照群にはPBSを投与した (PBS群)。非結紮・非注射のマウスをコントロール群とした。7日後に頸部リンパ節よりリンパ球を分離し、フローサイトメトリーにより解析を行った。 その結果、分離された総白血球数は3群全てで差がみられなかった。Th細胞(CD4+細胞)中のTh17細胞の割合も3群で差がみられなかった。CD4+細胞中のTh1細胞の割合はコントロール群よりRSV群とPPS群は減少しており、RSV群の方がPBS群より減少傾向が強かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
実験計画を変更したため。
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Strategy for Future Research Activity |
歯周炎モデルマウスに対するレスベラトロールの効果を検討するために、歯周炎炎症局所である歯肉やその所属リンパ組織、そして全身免疫に着目して、研究を継続していく。
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Causes of Carryover |
研究の遅れ、論文投稿用の費用
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