2020 Fiscal Year Annual Research Report
亜鉛含有修復材料の根面う蝕進行抑制作用と抗バイオフィルム効果に関する臨床的研究
Project/Area Number |
20K18531
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
長谷川 泰輔 新潟大学, 医歯学総合病院, 医員 (80844472)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | グラスアイオノマーセメント / 亜鉛 / フッ素 / バイオフィルム / in situデンタルバイオフィルムモデル |
Outline of Annual Research Achievements |
高齢者の残存歯数が増加する一方で、高齢者の根面う蝕が増加の一途をたどっており、重要な課題となっている。根面う蝕の初期脱灰病変には感染歯質を切削せずにフッ化物を主体とした被覆材料を使用し、再石灰化を促す非侵襲的処置が推奨されている。本研究では亜鉛を配合することで、殺菌効果の向上を図り、開発されたグラスアイオノマーセメント(GIC-Zn)の口腔内での初期活動性根面う蝕への臨床的効果を解明するため、口腔内環境を模倣して水中保管したGIC-Znの抗バイオフィルム効果をex vivoバイオフィルムモデルを用いて検討した。また、口腔環境下でのGIC-Znのの抗バイオフィルム効果を検討するため、カスタムトレーに試料を挿入した後に口腔内に装着し、バイオフィルム形成をさせる、in situデンタルバイオフィルムモデルを確立し、モデル上で形成されたバイオフィルムを解析した。 その結果、水中に3週間浸漬させた場合、浸漬前と比較し、GIC-Znではバイオフィルム形成が促進された。一方で、同条件の従来型グラスアイオノマーセメントと比較した場合では、バイオフィルム量は少なく、GIC表面のZnイオンおよびFイオンも多く存在していた。口腔内環境においてGIC-Zn上に形成されたバイオフィルムは、厚さおよびタンパク量が共に小さい結果となった。各GIC上に形成されたバイオフィルム中の構成細菌は一部異なっていた。GIC-Znは口腔内環境において、長期的な効果については不明だが、バイオフィルム形成を抑制する可能性が示された。
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Research Products
(8 results)