2021 Fiscal Year Research-status Report
歯周組織の血管内皮細胞から産生されるHMGB1が全身疾患へ及ぼす影響の解明
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20K18535
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
青柳 浩明 岡山大学, 歯学部, 客員研究員 (10814501)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | HMGB1 / 歯周炎 / マクロファージ / 全身疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
我々はこれまでに,歯周炎にHMGB1が関わっていることを,歯周炎モデルマウスを用いて明らかにした。しかし,HMGB1の抗炎症効果が歯周炎における様々な免疫 反応のどの経路に作用するのかは不明なままである。また,近年では,HMGB1とマクロファージの分化の関係について注目されているため,歯周炎組織においても影響があるのではないかと考え,研究を行なっている。 本研究では,骨髄由来の単球細胞にHMGB1刺激が加わると,M1マクロファージへの分化が促進されて,歯周炎における炎症反応を制御するのではないかと仮説を立て,HMGB1が歯周炎に及ぼす影響をマクロファージのM1タイプに着目して検討している。In-vitro:野生型マウス(WT)由来の骨髄単球細胞をマクロファージへ分化させ,Lipopolysaccharide,rhHMGB1,抗HMGB1抗体を添加した。48時間後にM1 マクロファージへの極性化度を解析している。In-vivo: WT,マクロファージ特異的HMGB1ノックアウトマウス(LysMCre/+-Hmg1f/f),抗HMGB1抗体腹腔内投与マウス(Anti-HMGB1)を用いて,絹糸結紮歯周炎モデルを作製した。3日後に,①抗HMGB1抗体の歯周組織への移行(Anti-HMGB1),②腹腔内マクロファージのM1 への極性化度,③歯周組織中のM1への極性化度と局在,④歯槽骨吸収度,⑤歯肉中のIl-6とCxcl2の遺伝子発現を調べている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
マクロファージ特異的HMGB1ノックアウトマウス(LysMCre/+-Hmg1f/f)を作製し実験を行う予定だった。しかし,マクロファージ特異的HMGB1ノックアウトマウス(LysMCre/+-Hmg1f/f)の作製 および確立に時間がかかってしまった。令和4年度はマウスを作製準備が整ったため研究を進めている。
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Strategy for Future Research Activity |
マクロファージ特異的HMGB1ノックアウトマウス(LysMCre/+-Hmg1f/f)を用いたマウスおよびコントロールマウスを用いて歯周炎モデルマウスを用いて,分子イメージン グによる炎症の定量,μCTを用いた新生骨の定量,組織切片を用いた免疫染色を行う。また,組織より骨髄を採取しフローサイトメトリー を用いて遊走細胞の機能解析を行う。
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Causes of Carryover |
計画通りに執行できたが端数が生じたため,次年度使用が生じた。令和4年度は急遽,骨髄細胞を採取しフローサイトメトリーを用いて遊走細胞の機能解析を実施する必要があったため,その費用に充当する予定である。
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