2020 Fiscal Year Research-status Report
歯髄幹細胞ニッチ形成の基礎となる血管ネットワークの解明
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20K18544
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
三友 啓介 東京歯科大学, 歯学部, 助教 (90844051)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 歯髄 / 歯根膜 / CD31 / Endomucin / TypeH血管 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は歯髄・歯周組織の血管網にはCD31・Endomucinが共に強陽性であるタイプH血管が存在するか解明を試みた。野生型のC57BL/6Jマウス(1w・4w・12w・aged)の歯髄・歯周組織を用いて凍結切片を作製し、抗CD31抗体と抗Endomucin抗体による2重蛍光免疫染色を行った。その結果、1wマウス歯髄では豊富な血管網を認め、CD31・Endomucin共に強陽性であるTypeH血管は象牙芽細胞層に沿って多く存在することがわかった。4wマウス歯髄では以前TypeH血管は象牙芽細胞層に沿って存在するもののその局在は歯冠から歯根へ移ったことが示唆された。12Wになると、歯髄内のTypeH血管はほとんど認められず、CD31陽性血管がそのほとんどを占めていた。一方歯根膜では、遠心根より近心根の歯根膜にTypeH血管が多く認めた。また歯髄とは違い経年的変化があまりないことが示唆された。 以上より、歯髄内のTypeH血管は存在するが、その血管量は経年的に減少していくことが明らかとなった。来年度はTypeH血管と歯・歯周組織における硬組織形成の関連について解析していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
定量解析で若干の遅れがあるが凍結切片の作製・蛍光免疫染色は計画通りに遂行できているのでおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は作製した画像を用いたイメージング定量解析を進めていく。またTypeH血管と歯・歯周組織における硬組織形成の関連について解析するためにカルセイン注入モデルをもちいた実験も行っていく予定である。
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Causes of Carryover |
今年度はコロナ窩ということもあり、学会参加のための旅費がなかったため。
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