2021 Fiscal Year Research-status Report
脂質メディエーターの上皮細胞多層化制御による歯周炎発症抑制と歯根嚢胞治療法の開発
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20K18550
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
山本 美咲 (二階堂美咲) 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 助教 (60845262)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | タイト結合 / 非角化重層扁平上皮 / 三次元培養 / スフィンゴシン-1-リン酸(S1P) / K38 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、タイト結合形成の分子機構に着目しながら、細胞の増殖・遊走・分化等多彩な作用をもつ脂質メディエーターであるS1P(スフィンゴシン-1-リン酸)を介した上皮のタイト結合形成と多層化制御に関わるシグナリング経路の解明と上皮細胞制御による歯周炎の発症抑制・歯根嚢胞の新規治療法の開発を目的とするものである。 in vitro実験系として、非角化重層扁平上様構造を有するマウスケラチノサイト細胞(K38)を生体内環境に近い三次元培養系で使用することとした。 in vivo実験系では、動物モデル作製を含む動物実験計画書の学内承認を得てマイクロCTの撮影方法及び解析方法について習得した。また、組織の採取方法、固定・脱灰についても習得し、実験が行える状況が整った。 in vitro実験系では、セルカルチャーインサートの膜上にK38細胞を播種し、airlift培養による三次元構築を行い、S1P受容体作動であるS1PR1作動(FTY720) または S1PR2作動 (CYM-5520)による細胞の重層化(形状)を観察するため、三次元構築と各薬剤の試適濃度を探索した。薬剤は、これまでの細胞実験で報告のある1-2μMとして三次元構築を実施したが、細胞重層過程を再現することができなかった。そこで、二次元(通常培養)での至適濃度探索に切り替えた。S1P受容体作動 添加による細胞死は生じなかったため、薬剤添加に起因するものではなく、使用した細胞の状態に起因したものと考えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
前年度に続き、セルカルチャーインサートの膜上にK38細胞を播種し、airlift 培養による三次元構築を行い、S1PR1作動 (FTY720) または S1PR2作動 (CYM-5520)を添加するために至適濃度の振り分けを行ったが、重層化の状態を均一に再現することができず、至適濃度の決定に至っていない。二次元構築においても、至適濃度の決定に至っていない。 動物実験については、細胞での実験が思うように進まないため、準備段階で止まっている。
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Strategy for Future Research Activity |
これまでの研究から、より生体環境に近い三次元培養系の構築が、本研究に重要であると考えているため、細胞重層化の状態が均一となるよう実験条件を再討し、至適濃度の決定を行いたいが、まずは二次元(通常培養)での 至適濃度を決定する。二次元(通常培養)構築にて、S1P受容体作動薬による細胞の重層化(形状)、タイト結合関連タンパク質であるCLDN5、CLDN7、ZO-1 の発現増加について、HE染色、蛍光免疫染色を用いて検討を行い、その後、三次元構築にて同様の検討を行う。また、動物実験を開始する。
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Causes of Carryover |
コロナウイルスの関係で、学会出張がなかったため、当該助成金が生じた。 次年度の物品費および学会出張費として計上する。
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