2020 Fiscal Year Research-status Report
Analysis of osteogenesis mechanism by magnesium alloy
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20K18551
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
小田島 健二 東北大学, 大学病院, 医員 (60852770)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | マグネシウム合金 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、ラット脛骨骨膜下にマグネシウムを移植し、骨形成反応に関する病理組織学的および工学的検討を行った。実験には雄性Wistarラットを用い、全身麻酔下にて脛骨骨膜下に、大きさ1×1×0.1mmのマグネシウム、チタン薄膜を移植した。対照群として切開のみによるsham群を行った。実験後、1、2、8週後に過剰麻酔にて屠殺を行い、1週の群はSEM/EDXによる分析を行い標本表面の元素解析を行った。2,8週でマイクロX線CT撮影後、EDTA脱灰してパラフィン包埋切片を作製した。標本は、病理組織学的な観察や骨の形態計測を行い免疫組織化学染色にてオステオカルシンの発現を観察した。また、標本周囲の被膜の元素濃度をICP-MSにより計測した。各実験群間および時間による統計処理を行って検討した。SEM/EDXではマグネシウム標本表面のカルシウム、リン濃度が上昇していた。マイクロX線CT像から実験部は種々の程度の新生骨形成が確認された。組織標本では、移植部近傍の骨表面には新生骨の形成が確認された。マグネシウムの移植群の8週が、有意に高く、オステオカルシンの発現量も同様であった。被膜内のマグネシウム濃度は、カルシウム、リン濃度の上昇がみられた。マグネシウム移植により周囲組織の骨芽細胞の分化誘導があり、新生骨形成に関与すると思われた。細胞の分化誘導には、溶出マグネシウムの他、腐食生成物の影響があるかもしれない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
動物実験を施行し、標本の作製までを行えている。概ね予想通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は標本数を増やしさらなる骨染色マーカーの種類を増やすなど追加実験を行う。
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Causes of Carryover |
次年度以降も同様の研究を、染色の種類を変え行っていく。実験の薬品の購入・ラットの購入および学会の参加のために使用する予定である。
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