2020 Fiscal Year Research-status Report
MMA系レジンセメントのCAD/CAM冠に対する接着機構の解明と接着耐久性の向上
Project/Area Number |
20K18553
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
品川 淳一 東京医科歯科大学, 歯学部, 非常勤講師 (70848332)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 接着歯学 |
Outline of Annual Research Achievements |
ハイブリッドセラミックのCAD/CAM冠は現在本邦において保険収載されて広く臨床応用されているが、冠の脱離症例が未だ数多く報告されている。そこで本研究ではCAD/CAM冠用レジンブロックに対するMMA系レジンセメントの接着機序を解明し、また負荷試験時の接着耐久性を検証することとしている。具体的には、ヒト抜去歯に規格形成を行い、CAD/CAM冠を作製、臨床での環境を再現した条件でサーマルサイクル(5-55°C, 2000回)疲労荷重試験 (直径3mコンポジット球, 50N, 50000回)を行い、接着試験及び海面観察を行う予定であった。その際には、試料をルートヴィヒマクシミリアン大学ミュンヘンに持参して現地の疲労・熱負荷試験機を使用する予定であったが、新型コロナウィルス感染症蔓延のため訪問が出来ていない。研究計画の変更を予定している。現在は疲労負荷試験を行わない状態での、初期の接着強さの測定及び接着界面の評価を行なっている。疲労負荷試験を行わない状態での接着試験であると、既存の研究と比較し新規性のある研究とは言えず、いまだ研究発表を行える段階に至っていない。また接着界面についてはラマン分光分析を用いて検討する。ラマン分光分析は、接着歯学の分野では広く用いられており、象牙質接着界面の解析などに応用されている。これにより、モノマーのレジンブロック内への浸透を分析できる。これにより、対照群として想定しているデュアルキュア型レジンセメン トとの差異を検討し、モノマーの浸透が接着強さに及ぼす影響を明らかにすることを計画している。現在はパイロット実験を行っており、安定した測定結果を得られる試料作製の方法が決定した後に本実験を行い、今年度学会発表予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウィルス感染症蔓延のため、機器を借用予定であったミュンヘン大学に訪問できていないことと、感染対策のため研究室の使用回数が想定を下回ったため。
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Strategy for Future Research Activity |
疲労負荷試験について、国内で借用できる施設を模索する。あるいは、負荷の方法を変更する。
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Causes of Carryover |
新型コロナウィルス感染症蔓延のため、予定していたミュンヘン大学への訪問ができなかったことと、感染対策のため研究室の使用回数が想定を下回ったため。
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