2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of treatment for aspiration pneumonia using exosomes secreted by stem cells
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20K18558
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
椙村 有紀子 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (10778658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | エクソソーム / 血管新生 / 乳歯歯髄幹細胞 / 誤嚥性肺炎 / 嚥下障害モデル / マクロファージ |
Outline of Annual Research Achievements |
肺炎は、死因別死亡率の上位に位置している。肺炎で死亡する人の多くは、65歳以上の高齢者であり、高齢者の肺炎の多くが、誤嚥性肺炎が原因である。誤嚥性肺炎の発症のベースとして嚥下障害が存在していると言われている。 本研究の構想は、ヒト乳歯歯髄幹細胞(SHEDs)由来エクソソームをラット嚥下障害モデルに適用し、治療効果について検討することである。 近年、エクソソームと呼ばれる細胞外小胞が、細胞間の相互作用において重要な役割をもつことが明らかとなってきた。エクソソーム内にはタンパク質、microRNA、mRNA などの分子構成要素が含まれ、由来する細胞と類似の機能を有することがわかってきた。そのため、様々な疾患に対するに対して、間葉系幹細胞が分泌するエクソソームには、細胞移植と同等の治療効果があるのではないかと考えている。 本年度は、In vitroの実験を中心に進めた。 エクソソームの回収方法には、一般的に行われている超遠心法のペレットダウン法を用いて行なった。分離したエクソソームの保存は、凍結融解によりエクソソームが壊れるため4℃で行い、可能な限り速やかに解析に使用した。動的光散乱法を用いて粒径が約60~100nmであること、電子顕微鏡により脂質二重膜粒子であることを確認した。また、ウエスタンブロット法を用いて、CD9やCD63、CD81などのテトラスパニンを発現していることを確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
初年度は、エクソソームを効率的かつ確実に分離できるようにし、それがエクソソームであることの確認するところまで行った。本来は、分離したエクソソームを用いてIn vitroの実験を行いたかったが、初めて使用する試薬、機材が多く思うように進まなかったため。
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Strategy for Future Research Activity |
引き続き、In vitroの実験を中心に進める。 エクソソームには、抗炎症効果、血管新生促進効果、細胞遊走・増殖促進効果を有するか検討する。具体的には、①エクソソームは、炎症性M1マクロファージを抗炎症性M2マクロファージへ誘導することができるか②血管内細胞とエクソソームを共培養し血管新生を促進することができるのか③エクソソームは、嚥下障害改善に寄与すると考えられるシュワン細胞の遊走能や増殖能を上昇させることができるかを検討する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、計画的に物品を購入・計画的に実験をおこなった結果、経費の削減ができたため。 また、新型コロナウイルス感染症により、参加予定であった学会がweb開催となり、交通費がかからなかったため。 使用計画としては、細胞(シュワン細胞、血管内皮細胞)やモデル動物(ラット)の購入費用に充てる予定である。
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Research Products
(3 results)