2022 Fiscal Year Research-status Report
Development of treatment for aspiration pneumonia using exosomes secreted by stem cells
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20K18558
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
椙村 有紀子 名古屋大学, 医学系研究科, 客員研究者 (10778658)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯髄幹細胞 / 培養上清 / パラクライン効果 / エクソソーム / マクロファージ / 嚥下障害モデル / 誤嚥性肺炎 / 再生医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
加齢とともに肺炎による死亡率は増加し,諸家の報告により異なるが,高齢者の肺炎の70%以上が誤嚥性肺炎であるといわれている.誤嚥性肺炎に対し口腔ケア,嚥下訓練による予防が行われているが,根本的な治療法はなく,新しい治療法の開発が求められている. 前年度までは,In vitroの実験を中心に進めエクソソームには抗炎症効果,末梢神経再生効果を有することがわかった.今年度は,In vivoの実験を中心に進めた. エクソソームは,歯髄幹細胞培養上清より超遠心法のペレットダウン法を用いて分離した.分離した試料がエクソソームであることを確認するために動的光散乱法,電子顕微鏡,ウェスタンブロット法をした. 本研究では,ラットの上喉頭神経を圧挫した嚥下障害モデルを用いて,エクソソームによる治療効果の可能性を検討した.まずは,嚥下障害モデルラットに対するエクソソームの投与方法について検討し,今回は尾静脈より単回投与することを選択した.実験群は.偽手術群,損傷群,エクソソーム投与の3群を設定した.それぞれの群のラットの体重の変化,嚥下回数,摂水量を測定し比較した.損傷した上喉頭神経の電気生理学的評価や遺伝子学的変化をリアルタイムPCR法にて定量化した.また,トルイジンブルー染色や透過型顕微鏡を用いて神経軸索を形態学的に評価した.肺の炎症変化は,H-E染色,リアルタイムPCR法にて評価した.末梢血を採取し,白血球数やC反応性タンパク(CRP)にて炎症の程度を評価,サブスタンスPにて嚥下障害の程度を評価した. これらの結果をまとめ,今後は治療効果のメカニズムについて検討していく予定である.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
年度内に異動があり実験を一時中断する期間が生じたこと,子供の小学校入学があり環境変化があったことが重なり遅れが生じた.
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Strategy for Future Research Activity |
近年,エクソソームの治療効果はmiRNAが寄与していることが明らかになってきた.よって,マイクロアレイを用いたエクソソーム中のmiRNAプロファイリングを行い,嚥下障害に対し治療効果に関与するmiRNAを同定する.その同定したmiRNAをを嚥下障害モデルに適応し評価を行う. また,エクソソームの生物学的作用の全貌はまだわかっておらず,副作用が懸念事項にある.よって,臨床応用に向けて安全面について検討もしていく必要がある.
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Causes of Carryover |
計画全体に遅延が生じため,次年度使用額生じた. 未使用額は,遅れている追加実験の試薬,実験動物飼育,論文校正,論文投稿の費用に使用予定である.
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Research Products
(1 results)