2023 Fiscal Year Annual Research Report
FEAとCAD/CAM技術の応用によるインプラント間歯槽骨に対する応力伝達の解明
Project/Area Number |
20K18559
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
松岡 隆 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (80807032)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | インプラント |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科インプラント治療において,審美領域のインプラント間歯槽骨の維持は最も困難な治療の一つである. インプラントの3次元有限要素解析モデルの作製から解析までを1つのCADソフトウェアで行うことで,アバットメント連結様式がインプラント間歯槽骨に与える力学的影響を解析することを可能とした. その結果,コニカルコネクションの連結様式を使用すると,たとえインプラント間距離が2 mmになったとしても,インプラント間歯槽骨に対する応力は他と比べて小さくなり,他と比べてマイクロギャップの値も小さくなった.コニカルコネクションタイプのインプラントはインプラント間歯槽骨の維持のために力学的に優位なインプラントーアバットメント連結様式である可能性が示唆された. コニカルコネクションの連結様式を有する歯科インプラントは,審美性の観点からジルコニアアバットメントと組み合わせることが多いが,ワンピースジルコニアタイプとチタンベース付きジルコニアタイプの2種類がある.その違いがインプラント構成要素に及ぼす力学的影響を評価するため模型実験を行った.口腔内の環境をより正確に模倣するには繰返し荷重試験を行った.その結果,チタンベースはジルコニアアバットメントの耐欠損性を向上させた一方で,インプラント構成要素に多くの変形を引き起こした.また,インプラント体の直径が細いナローグループではワンピースジルコニアタイプは有意に変形が少なかった.臨床設計を選択する際には,アバットメント連結様式の選択だけでなく,アバットメントの機械的特性を考慮する必要があることが示唆された.
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