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2021 Fiscal Year Research-status Report

侵襲性歯周炎新規モデルラットのインプラントの周囲組織反応の解明

Research Project

Project/Area Number 20K18560
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

岡田 信輔  広島大学, 病院(歯), 病院助教 (20736558)

Project Period (FY) 2020-04-01 – 2023-03-31
Keywordsインプラント / 侵襲性歯周炎 / ラット
Outline of Annual Research Achievements

侵襲性歯周炎は10-30歳代の若年期に多く発症する急速な骨破壊を伴う歯周炎である。これまで様々な歯周炎モデルが開発されているが, それらはヒトと異なる発症メカニズムで炎症を惹起しているため侵襲性歯周炎の再現性に乏しい。一方で, 侵襲性歯周炎の主な病原菌であるAggregatibacter actinomycetemcomitans(Aa)は他の歯周病原菌と比較して病原性が強く, Aaによって産生されるリポ多糖(LPS), ロイコトキシン, 細胞致死性膨張性毒素および外膜蛋白質は歯肉上皮を損傷させ炎症を拡大させる。また, 侵襲性歯周炎の特徴として家系内に集積する症例が多く存在することはよく知られており, いくつかのin vitro研究にて母子間で垂直伝播をしていることが明らかとなった。そこで本研究では侵襲性歯周炎の主な病原菌の一つであるAaを母体ラットから仔ラットへ垂直伝播させることでAaを定着あるいは感作する新規の侵襲性歯周炎モデルを作製することを目的とし, 妊娠プラグの確認された母体ラットに培養した特定の濃度のAaを毎日静脈注射。母体ラットおよびその仔の口腔内にAa菌の感染が定着しているか否かをDNAシークエンスを用いて菌叢解析を行った。その結果, 2頭の母体ラットにはAa菌の存在は確認されなかったが, 1匹の仔ラットにAggregatibacter属が確認され, その他ラットにはAggregatibacter属が確認されなかったことからも母体ラットに投与したAaの定着が仔ラットに確認できたと考えられる。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

現在の進歩状況は当初計画よりやや遅れている。その理由としてはコロナ窩により動物実験施設等の制限があったことや解析等の遅れがあったことが挙げられる。

Strategy for Future Research Activity

今後はAaの定着が確認されたラットの歯槽骨吸収を経時的に確認。その後、作製した歯周病モデルラット20匹の上顎左側の第1臼歯(M1)を抜歯後, 抜歯窩が完全に治癒した後にインプラント(直径 2.0mm, 長さ 4.0mm)を通法に従い埋入。インプラント埋入から一か月後, 二次手術にてヒーリングアバットメントに置換。二次手術から2週間後に動物歯肉にAaを2週間連続投与。炎症波及を組織学的に観察, また辺縁骨吸収量および吸収形態をマイクロCTで観察することで侵襲性歯周炎影響下におけるインプラントの長期維持の可能性を探求することで侵襲性歯周炎患者に対するインプラント治療の方略の確立を目指す。

Causes of Carryover

コロナの影響により当初計画していた動物実験や解析に遅延が生じている。今後の使用計画は今年度で作製した侵襲性歯周炎モデルラットにインプラントを埋入, 同一モデルで侵襲性歯周炎に対する天然歯とインプラントの反応の違いを解明する予定であり, 初年度にて作製した歯周病モデルの定着を確認するためのDNAシークエンスmの費用, 上顎左側の第1臼歯(M1)を抜歯後に埋入するインプラントの費用, インプラント埋入から一か月後, 二次手術に用いるヒーリングアバットメントの費用, また二次手術から2週間後に動物歯肉にAaを2週間連続投与の費用, 炎症波及の観察のため前染色としてVillanueva Bone染色, 後染色のTRAP染色の費用および辺縁骨吸収量および吸収形態の観察のたSkyScan1172およびCT-Anの費用に用いる予定である。また, それらの学会発表および論文投稿の費用に用いる予定である。

URL: 

Published: 2022-12-28  

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