インプラント周囲炎治療後の骨再生に有効な骨補填材の検討

2020 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 20K18562
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 西村 朋子 九州大学, 大学病院, 医員 (70823219)
• Project Period (FY): 2020-04-01 – 2023-03-31
• Keywords: 歯科インプラント / インプラント周囲炎 / 骨補填材

Outline of Annual Research Achievements

口腔インプラント周囲炎の治療法は、可及的に汚染物質を除染することである。骨欠損が大きい場合は、骨補填材を用いて、再オッセオインテグレーションを期待する。第一の治療法は、機械的除染と抗菌薬の併用である。しかし、現在使用されている方法では、インプラント体表面には複雑な凹凸があるため、機械的・化学的方法を用いても完全に除去することは難しく、汚染物質は残存したままである。このように、インプラント周囲炎により骨吸収した部位に骨補填材を使用する場合、汚染物質が残存した状況で使用することになる。そこで本研究では、感染に弱い性質をもつ骨補填材を使用する場合、どのようなインプラント体表面や機械的・化学的除染方法が再オッセオインテグレーションに有効なのかを明らかにすることを目的とした。
チタンディスクを用いて、過去の様々な報告を参考に、実験に使用するディスクの処理方法を検討した。作製したディスク表面の形態観察を走査型電子顕微鏡にて確認したところ、現在主流のインプラント表面の形態と同等の表面を作製することができた。ディスクの処理直後と一定時間が経過後の表面の性質として、ぬれ性と付着した元素を測定した。ぬれ性は接触角測定装置（水を滴下時の接触角）にて行い、元素解析はX線光電分光法にて行った。その結果、時間が経過するだけで、超親水性表面が疎水性に変化することが明らかになった。表面の元素については大きな変化が認められなかった。これにより、本研究では、インプラント周囲の機械的除染の前後でディスクの評価を行うため、時間の経過でディスクの付着元素が変化することも考慮する必要があることが示唆された。今後はディスクの機械的除染方法の違いにより、時間を含めたディスク表面の形態・性質がどのように変化し、それが細菌、その後にどのような影響を与えるのか検討を行う。

Current Status of Research Progress

4: Progress in research has been delayed.

Reason

新型コロナウイルス流行のため、予定通り研究が進まなかった。

Strategy for Future Research Activity

予定している研究を遂行する。

Causes of Carryover

新型コロナウイルス流行のため、計画通り研究が進まなかった。そのため、研究遂行のために当初予定していた金額より、使用した金額が少なくなったため。