2020 Fiscal Year Research-status Report
BMP9による骨芽細胞分化誘導における小胞体ストレスの関与およびメカニズムの解明
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20K18564
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
榮樂 菜保子 鹿児島大学, 鹿児島大学病院, 医員 (00868086)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | BMP9 / ERstress / 骨再生 / 歯周病 / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在行われている歯周病により失われた歯周組織の再生療法やインプラント治療時の顎骨の骨造成には適応症の限界や組織の再生量の限界などにおいて改善すべき点がありより効果的で、また安全な再生療法の開発が求められており、申請者は新たな成長因子として骨形成タンパクであるbone morphogenetic protein (BMP) -9に着目した。BMP-9は強力な骨分化誘導能を持つシグナル分子であり、その骨分化誘導能はBMP-2に比べ高いことが明らかとなっている。また、BMP-2刺激によって小胞体ストレス応答反応が誘導されるとの報告があり、さらに小胞体ストレスによって骨芽細胞分化が促進されるとの報告もあるがそのメカニズムについては解明されていない点が多く、BMP-9との関連についての研究報告はなされていない。本研究はBMP9による骨芽細胞分化において小胞体ストレスとの関与および、メカニズムの解明を目的とする 現在、小胞体ストレスとBMP9の関係についてセメント細胞様分化能解析 表現形:ALP活性,ALPstaininng,石灰化能解析(Alizarin染色)・遺伝子発現:ALP,Runx2,Osterix,CEMP-1,CAP等の骨・セメント関連遺伝子(RT-PCR or Real-time PCR法)について解析中。同時に申請者が発見した骨芽細胞におけるBMP9のGsk3bのWntを介さない新規経路について歯周組織への影響を詳細に検討する目的で歯根膜細胞において同じ経路がみられるか検討中。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究自体は概ね進行しているが、同時にBMP9の歯根膜細胞への影響を確認しているため、本来の計画からはやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
1.小胞体ストレスとBMP9の関係について刺激を行い細胞増殖活性(MTTassay)細胞遊走能試験,血管誘導能(VEGF産生)の解析,骨芽 / セメント細胞様分化能解析 表現形:ALP活性,ALPstaininng,石灰化能解析(Alizarin染色)・遺伝子発現:ALP,Runx2,Osterix,CEMP-1,CAP等の骨・セメント関連遺伝子(RT-PCR or Real-time PCR法)について検討を進める。 2.メカニズムの解析。 a. 細胞内シグナリング経路:MAPK(p38、ERK1/2、JNK)、Smad-1/5/8、NF-κβ、PI3K/Akt経路、ER Stress応答反応タンパク質(Grp78、CHOP)について、Western blotting法によるリン酸化の解析を行う。b. 阻害剤:各種細胞シグナリング経路に対する選択的阻害剤を使用する。c. siRNA:BMP9に対するレセプター(ALK1、BMPR2)や細胞内シグナル伝達分子(Smad等)、ER Stress 関連分子の発現を一過性に抑制して、分化誘導への影響を解析する。d. 過剰発現:ALK1、BMPR2などBMP9のレセプター、ER Stress応答シグナル分子の強制発現による分化誘導への影響を解析する予定。
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Causes of Carryover |
(理由)新型コロナの影響で遠方での学会が行われず、旅費は0と変更になっている。また、現在までの実験経過は研究室の備品を使用することも多かったため、予算よりも安価で研究が進められている状況。 (使用計画) 次年度使用額(341,646円)は消耗品および試薬の購入費に充てる予定。
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