2021 Fiscal Year Research-status Report
超高齢社会のための汚れない義歯開発へ向けたMPCコーティング
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20K18566
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
福西 美弥 昭和大学, 歯学部, 兼任講師 (30783287)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | MPCポリマー |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は人工血管や人工関節,コンタクトレンズの成分として医療分野で広く応用されている有機高分子である2-methacryloyloxyethl phosphorylcholine(MPC) ポリマーの歯科分野への開拓を目指している.我々はこれまでにグラフト重合法や紫外線を用いた光重合法を用いてMPCをアクリルレジン義歯状にコーティングし,バイオフィルムの形成抑制とその機械的・化学的耐久性を実証した.本コーティングは臨床使用に非常に有用であり,実際に臨床試験を行うことができるようになってきた.本研究では臨床応用へ向け,より簡便で短時間で行えるMPCコーティングを開発し,最適なMPCポリマーコーティング方法を確立することを目的としている. さらなる簡便なMPCポリマーコーティングを開発するため,光照射の波長と出力の調査を行った.従来の光反応型MPCポリマーのプラーク形成抑制効果をベースに,光波長と光照射強度を調整した照射器を用いて光反応型MPCポリマーのプラーク形成抑制能を調査した.その結果,従来の照射器を用いた場合と比較し,光波長を調整した照射器では同時間の反応では反応率が60%程度に低下し,同程度の反応率を得るためには3倍の時間がかかることが実証された.一方プラーク形成抑制能は,光波長を調整した照射器を用いた光反応型MPCポリマーコーティングでも一定状の抑制効果を保っていることが実証された.さらにコーティング層を染色した染色試験では,機械的刺激によってコーティング層の剥離が確認できるものの,薄膜の残存が確認できた.このことから,機械的刺激への耐久性をある程度残存することができるコーティングが可能であることが示唆されている.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定していた簡便なコーティング法の開発に進んでいるため.
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Strategy for Future Research Activity |
基本的なコーティング性能を高めることができているため,実際の基礎試験や臨床実験を行い,コーティング性能の評価を行うようにしていきたい.
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Causes of Carryover |
研究発表における旅費算出がなかったため. 来季の研究発表とデータ解析のための物品費に使用する.
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