2021 Fiscal Year Research-status Report
マイクロ・ナノパターン構造付与による生理活性機能が発現する吸収性メンブレンの開発
Project/Area Number |
20K18568
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
加我 公行 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (50824083)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | マイクロ・ナノパターン / PLGA / ナノインプリント / メンブレン / 骨芽細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は,生分解性ポリマーであるPoly(lactic-co-glycolic acid) (PLGA)にて製作したメンブレン表面にマイクロ/ナノパターン構造を付与し,その表面形状,接触角及び骨芽細胞の接着について評価した. 材料及び方法:PLGAグラニューを熱プレス機でシート状に成型し,熱ナノインプリント法にてGroove, Pillar, Hole構造を有したPLGAメンブレンを製作した(20mm×20mm). パターン化PLGAメンブレン表面を走査型電子顕微鏡(SEM), レーザー顕微鏡および接触角計にてぬれ性の評価を行った. MC3T3-E1細胞をパターン化メンブレン上に5000 cells/cm2にて播種し, 10%FBSを含むMEM-α中で3時間培養し, 光学顕微鏡にて形態観察及び細胞接着数の計測を行った. また, アクチンの蛍光染色を施し, アクチンフィラメントの形成を観察した. 結果:熱ナノインプリント法により 0.5 μm,1 μm, 2 μm の幅を持つ(高さ: 1 μm)Groove, Pillar及びHole構造が付与されたPLGAメンブレンを製作することができた. SEM及びレーザー顕微鏡により形状が維持されていることが観察された. 接触角の測定から, PillarとHole構造を付与することでPLGAメンブレンは疎水性を示した. Groove構造表面では,親水性を示した. 0.5μmのGroove,Pillar及びHole構造のPLGAメンブレン上のMC3T3-E1細胞の細胞接着数は, パターンを持たないPLGAメンブレンよりも有意に多かった(p<0.05). パターン化PLGAメンブレン上では,多数のアクチンフィラメントの形成とパターンに沿った細胞骨格の形成が観察された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は,骨芽細胞の培養と評価のみにとどまった. PLGAメンブレンシートの大きさから, 骨形成能などの評価を定量化するのが難しかったため, パターン化PLGAメンブレンシートの大きさを検討する.
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は,引き続き,細胞培養および評価を行う 1) 石灰化基質産性能評価 骨芽細胞の骨形成能は,カルシウム沈着が形成する骨結節の石灰化能力を評価する. MC3T3-E1 を長期培養し,アリザリンレッドS染色(コスモバイオ)を行い,実体顕微鏡にて観察を行う. 2) 骨芽細胞分化能評価 シート上で培養した骨芽細胞のmRNAを抽出し,骨芽細胞分化マーカー遺伝子である Runx2,アルカリホスファターゼ,オステオカルシンの発現についてqRT-PCR法を用い て検討する. 3) マウス骨芽細胞様細胞 MC3T3-E1 とヒ ト歯肉由来上皮細胞 Ca9-22 の細胞種によるパターン化PLGAシート上での細胞接着の違いを検討する.
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Causes of Carryover |
本年度行う予定だった 上皮系細胞の培養実験まで着手できなかった. そのため,次年度に上皮系細胞Ca9-22を購入し, その実験費用にあてる.
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