2020 Fiscal Year Research-status Report
野生型マウス顎下腺上皮細胞株を用いた唾液腺組織再構成と分泌機能評価システムの構築
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20K18569
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Research Institution | Tokyo Metropolitan Komagome Hospital (Clinical research laboratory) |
Principal Investigator |
池浦 一裕 東京都立駒込病院(臨床研究室), 歯科口腔外科, 医員 (40784088)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 唾液腺再生 / 口腔乾燥 / 細胞株 / 分化誘導能 / 筋上皮細胞 / 腺房細胞 / 導管上皮基底細胞 / 唾液 |
Outline of Annual Research Achievements |
若手研究(課題番号:18K17238、平成30年度から平成31年度)では唾液腺組織再生に有用な細胞源の確保と特性解析を行い、樹立した細胞株の筋上皮細胞と腺房細胞への分化誘導能の検討を行った。そこで本研究では唾液腺組織再構成、さらに腺組織分泌機能評価が可能なシステム構築を行うことを目的としている。まずは当該年度で、下記1)の検討を行った。 1)導管上皮基底細胞群、筋上皮様細胞、腺房様細胞からの唾液腺組織再構成 コラーゲンゲルを用いた三次元培養法では細胞に対して全面が足場となるため細胞塊を形成することにおいては有用であるが、分泌評価を行うには適さない形態となる。そのため2%~10%コラーゲン懸濁培養液を作成し細胞極性を利用することで管腔構造を誘導する方法を引き続き応用した。しかし、コラーゲンゲルを最終的に完全に除去することが困難なため、磁性粒子を利用した三次元培養を検討した。磁性粒子を用いることで安定した細胞塊の作成が可能となったが中央側の細胞に栄養が行き届かずにアポトーシスを来してしまうことが修正すべき課題となっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当該年度に進める計画としていた磁性粒子を用いた三次元培養を行うことが出来ているため
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Strategy for Future Research Activity |
推進方策としては以下の1から2へと順次進める方針である。 1)導管上皮基底細胞群、筋上皮様細胞、腺房様細胞からの唾液腺組織再構成:磁性粒子を利用した三次元培養を実施している。さらに腺房細胞マーカーであるAQP5の発現と局在を確認することと並行して細胞の安全性を確認するための核型解析、既報の幹細胞、前駆細胞マーカーを発現する様な細胞群であるかの確認を行っていく。 2)腺組織分泌機能評価が可能なシステムの構築:唾液腺様の細胞塊(Salivary Sphere)では既存の唾液分泌促進薬(ピロカルピン塩酸塩)に反応するかどうかを細胞内カルシウムイオン測定を用いて検証を行う。
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Causes of Carryover |
当該年度では培養細胞および凍結切片作製において観察を行うための正立顕微鏡の購入に当該助成金を使用した。次年度使用額として96,273円が生じているが免疫組織化学染色に用いる抗体などの購入費用とする計画である。
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