2020 Fiscal Year Research-status Report
各種清掃デバイス、MSC、サイトカインを用いたインプラント周囲炎の治療法の確立
Project/Area Number |
20K18578
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
横田 潤 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (60733730)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | インプラント周囲炎 / MSC / サイトカイン / 清掃デバイス |
Outline of Annual Research Achievements |
近年、インプラント治療において生物学的合併症としてインプラント周囲炎が多く報告されている。その治療法について様々報告されているものの、未だ確立されておらずインプラントの長期的成功を達成する上での大きな課題となっている。そこで本研究により、骨再生に最適なインプラント表面処理、複数の成長因子ならびに間葉系幹細胞mesenchymal stem cell (MSC)移植を同時に用いる革新的なインプラント周囲炎治療法を樹立したい。本研究成果は、たとえインプラント周囲に炎症が存在していても骨組織再生を可能とする全く新しい歯科医療の確立に繋がると期待される。本研究ではチタンマイクロワイヤーブラシをはじめとした種々の清掃デバイスならびに複数の成長因子を組み合わせて用いた炎症反応に影響されないインプラント周囲炎に対する骨再生技術確立の試みについては未だ報告がなく、本研究成果が臨床応用可能な画期的な骨再生技術の確立に繋がる可能性が高い。 昨年度はチタンディスク上で複数の成長因子の組合せによるMSCに対する細胞増殖能、分化能にインプラント周囲炎を模倣した炎症性サイトカインであるTNF-α、IL-1、-6がどのように影響するかどうかをin vitroで調査した。また現在までに明らかとされた炎症環境下でもMSCの骨芽細胞分化を誘導しうるチタン表面処理と成長因子で活性化される細胞内シグナルを検証している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
チタンディスク上でhMSCならびにマウスMSCへ複数の成長因子を組み合わせ(VEGF、PDGF、IGF-I、TGF-β)を投与し骨芽細胞分化能促進効果を検証する。その際、インプラント周囲炎としての環境を模倣するため、TNF-α、IL-1、-6などの炎症性サイトカインによる刺激がこれらの骨芽細胞分化能促進効果にどのように影響するかについて比較調査し、炎症性環境下で最もMSCの骨芽細胞分化能力を促進する成長因子の組合せを特定する予定であった。 現在までVEGFならびにPDGFとTGF-βの協調作用についてはin vitroにて解析したものの、チタンディスクの調達に時間を要している。また表面性状についても文献を基に検索しているが、インプラント周囲炎を模倣した環境へ設定することが難儀している。
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Strategy for Future Research Activity |
まずはチタンディスクの調達を最優先課題と考えている。さらには表面性状(表面粗さ)については、本学医療工学講座と共同して模索し、準備できたサンプル上での細胞の反応を検証する予定である。
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