2021 Fiscal Year Research-status Report
Project/Area Number |
20K18581
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
間中 総一郎 日本大学, 歯学部, 助教 (00754954)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 低出力超音波(LIPUS) / 骨質 / Ⅰ型コラーゲン(ColⅠ) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究においては、メカニカルストレスとして低出力超音波(Low-intensity pulsed ultrasound;LIPUS)を使用して、一定時間かつ継続的な刺激を骨芽細胞であるMC3T3-E1細胞などに与えることで、このLIPUS刺激が良好な骨質を有する骨組織を生成するかを学術的かつ細胞生物学的に解明することを目的として企図した。 その結果として、LIPUS刺激は骨組織中のBone sialoprotein(BSP)・Osteopontin(OPN)およびOsteocalcin(OCN)などの複数の細胞外マトリックス(Extracellular Matrix Protein;ECMP)の遺伝子発現およびタンパク発現の有意な増加が認められただけではなく、TypeⅠcollagen(ColⅠ)では歯周治療において良質な骨組織を有する遺伝子発現およびタンパク発現が有意に認められた。 また、これらはMC3T3-E1細胞を使用した実験レベルだけではなく、ATP関連受容体であるイオンチャネル型のP2X7受容体のアンタゴニスト(A438079)およびMC3T3-E1細胞のP2X7ノックダウン細胞(shP2X7)を使用した実験レベルにおいても、同様の有意な結果が認められたことを実証した。 以上より、低出力超音波による骨組織への刺激は歯周治療に有効性が認められることを示唆した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
『研究実施計画』に記載された内容に少し修正点を加えたが、LIPUS刺激が骨芽細胞の良質な骨形成に及ぼす詳細な影響を検討・実証済みであると考えられる。 今後は更なるデータ解析を行うとともに、歯周病・硬組織および医療機器などを主体とした国内の学術会議で学会発表し、関連研究の他の研究者と討論・評価を行う予定である。また、コロナ禍の状況にも左右されるが、国外の学術会議でも学会発表を行う予定である。
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Strategy for Future Research Activity |
現時点での本研究結果は修正点を加えた『研究実施計画』において十分な量であると考えられる。そのため、今後はこれまでの研究データを総合的に纏めながら、データ解析を主に行うこととする。 また、歯周病・硬組織および医療機器などの国内外の学会におけるポスター発表および口演発表を行うとともに、インパクトファクターを有する海外学術雑誌に投稿することとする。 さらに、海外学術雑誌からの返信内容次第では、それに対する追加実験を行うこととする。 そして、大学内外に問わず、関連研究の他の研究者と討論および評価を行い、詳細なメカニズム解析・臨床応用への進展よび研究テーマの新規性などを考慮して進めていくこととする。
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Causes of Carryover |
当初予定していた国内外の関連学会へのポスター発表および口演発表を取りやめたことで、残金が生じた。 また、次年度への繰越金は令和4年度と合わせて、消耗品などに使用する予定とする。これはインパクトファクターを有する海外学術雑誌への投稿後に、海外学術雑誌からの返信内容次第で追加実験を行う際に主に使用することとする。
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