2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
20K18586
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Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
堀 美喜 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40804422)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2023-03-31
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Keywords | 銀 / 抗菌 / 大腸菌 / 活性酸素種 / 発光遺伝子 / レポーターアッセイ |
Outline of Annual Research Achievements |
銀による菌の反応を観察することから開始した。大腸菌、表皮ブドウ球菌、黄色ブドウ球菌の3種類を用い、約100 マイクロメートルの銀粒子を培養中の菌体に接触させ、活性酸素種の発生の有無を検証した。検証方法はNBT法、セリウム塩法でそれぞれ過酸化水素、O2-イオンの発生を透過型電子顕微鏡にて観察をおこなった。結果、菌種により反応の差が認められたものの、活性酸素種の発生が認められた。顕著な反応を見せた表皮ブドウ球菌では、菌体膜の周辺にO2-の発生を認め、菌体内に過酸化水素の発生を認めるものが観察された。この結果より、銀の接触により活性酸素種の発生を伴うことが判明した。 大腸菌には活性酸素種による防御反応として解毒に関与するタンパク質が生成されることが報告されている。その解毒代謝に関わる遺伝子配列を利用し、レポーターアッセイシステムを応用した抗菌効果の定量評価法の確立を目指すため、以下の基礎実験から行うこととした。 まず初めに、大腸菌に発光遺伝子を組み込み、発光する大腸菌の安定株の樹立を試みた。発光遺伝子は、大腸菌でも高い発光活性を認めると報告のある島津製作所製のpicALucを使用した。ベクターはpQE30を使用し、picALucの遺伝子を挿入したpQE30-picALucを作製した。制限酵素はBamHIとHindIIIを使用した。タンパク質発現に適した大腸菌株のBL21株に導入したところ、導入直後の大腸菌では3.8×105 RLUを示したが、継代と共に指数関数的に発光量は減少し、安定的な発光量を示す菌株の樹立ができなかった。 原因として、発光遺伝子の修飾遺伝子の不足、培養温度の検討により改善が予想されるため、継続して基礎研究を遂行している。
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