2020 Fiscal Year Research-status Report
時計遺伝子Npas2の発現制御に着目した新規骨再生法の探索
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20K18591
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
大川 博子 東北大学, 歯学研究科, 助教 (00781296)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 時計遺伝子 / 骨芽細胞分化 |
Outline of Annual Research Achievements |
広範囲の顎骨欠損を生じた症例において補綴装置による十分な機能回復を得るためには,補綴装置を支える骨組織を再生する技術の開発が重要な課題となる。 サーカディアンリズムは、約24時間周期で変動する生理現象で、睡眠、呼吸や体温などが制御されており(Schmidt et al., 2017)、哺乳動物では、体内時計の中枢である視交叉上核(SCN)によって制御されている。bHLH型転写因子であるBmal1、Clock、Npas2は時計遺伝子と呼ばれ、ヘテロ二量体を形成し、Per、Cry、RORs、Rev-ERBs等の遺伝子転写翻訳機構を介してネガティブ、ポジティブフィードバックループを形成し、転写を約24時間周期で増減させることで、サーカディアンリズムを形成する。 近年の研究では、時計遺伝子には、サーカディアンリズムの制御以外に、細胞増殖や分化に関わることが報告されている。本研究では、骨芽細胞分化におけるNpas2の機能発現に着目し、Npas2が骨芽細胞分化機構に及ぼす影響を解明することとした。 以上を背景に、本研究の目的は、時計遺伝子Npas2がマウス骨髄間質細胞(BMSC)の骨芽細胞分化に及ぼす影響を明らかにすることである。 初年度では、時計遺伝子が骨芽細胞分化に及ぼす影響を検討した。時計遺伝子ノックアウトマウスの大腿骨を採取し、形態学的な特徴を野生型と比較して評価した。また、採取した骨髄中から、骨髄間質細胞(BMSC)を採取後、試験管内で分離培養を行なった。さらに増殖させたBMSCの骨芽細胞分化誘導実験を行い、組織的評価並びに遺伝子発現を解析した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度の目標であったBMSCの骨芽細胞分化と時計遺伝子の関連を検討できている事から、概ね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、BMSCのNpas2発現抑制には、siRNAのトランスフェクション法または、ドラックスクリーニングによって得られたNpas2発現を抑制する小分子化合物を用いる。野生型C57Bl6Jマウス由来BMSCにトランスフェクションを行い、Npas2の発現抑制をreal time RT-PCRにて確認したのちに、骨芽細胞分化誘導を行い、骨芽細胞分化誘導の評価法を行う。また、野生型C57Bl6Jマウス由来BMSCに、小分子化合物を添加した骨芽細胞分化誘導培地を使用して分化誘導後、骨芽細胞分化 誘導の評価法を行う。 また、MSCやiPS細胞を用いて、骨芽細胞分化誘導時に及ぼす時計遺伝子の発現を確認する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナウィルス流行の影響で学会がオンライン開催となり、予定していた旅費を使用することができなかったため次年度使用額が生じた。翌年度の研究計画の、遺伝子発現解析に関する試薬と、培養試薬の購入に使用する予定にしている。
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