2020 Fiscal Year Research-status Report
Development of tongue evaluation method using image recognition by deep learning
Project/Area Number |
20K18593
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大川 純平 新潟大学, 医歯学総合病院, 助教 (10846041)
|
Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
|
Keywords | 舌 / 舌苔 / 口腔機能低下症 / 画像認識 / 深層学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
舌は、咀嚼・嚥下・構音などの口腔機能において重要な役割を担っている。舌表層に見られる舌苔の付着や舌粘膜の乾燥、舌の筋萎縮は、口腔機能に関連しており、これらの状態を評価することが重要である。しかし、舌の評価には専門的な知識や装置を要することが多い。研究代表者は、深層学習による画像認識技術に着目し、モバイル機器により舌機能を評価する試みを行っている。本研究課題では、モバイル機器で撮影した舌の写真から、簡便かつ信頼性の高い包括的な舌評価法の確立することを目的とする。 本年度は、撮影された舌を含む写真から、必要な舌区画のみを抽出するシステムを新規に作成した。さらに、本システムより得られた舌区画の画像をもとに解析を行うこととした。舌苔付着について、パネリスト5名に舌苔付着の程度を評価させ、教師データを作成した。作成した教師データに対して深層学習を行い、舌苔付着の評価を行うアルゴリズムを作成した。さらに、教師データと異なる舌の画像を用いて、アルゴリズムの評価を行なった。これらのアルゴリズム作成を繰り返し、教師データの作成方法、適切な画像の処理方法およびパラメータの設定、ならびに舌苔付着の算出にかかる計算式を検討した。その結果、おおむね良好な精度を持った舌苔付着評価の可能なアルゴリズムの導出に成功した。 以上より、舌機能を評価できるシステム構築に成功し、さらに舌苔付着の程度を算出できる可能性が示唆された。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は、撮影された舌を含む写真から舌区画を抽出するシステムを新たに作成し、本研究に必要な舌の画像データを取得し、解析を行った。さらに、舌苔付着の程度をパネリストに評価させ、教師データとして用いることで、舌苔付着の評価が可能なアルゴリズムの導出に成功した。一方で、新型コロナウイルスの影響で、追加の画像データの取得および舌機能の測定が困難であったため、さらなる実験が必要である。なお、追加実験に関し、本学の倫理委員会に研究計画を提出し、審査および承認を受けた。 課題は研究計画よりやや遅れてすすんでいるが、本年度に得られた結果は想定通りのものであった。また、追加実験に関し倫理審査の承認を受け、次年度にむけた準備は進められている。以上より、やや遅れて進捗しているものと考えられる。
|
Strategy for Future Research Activity |
本年度の研究では、新規に作成したシステムを用い、舌を含む写真から研究に必要な舌の画像を抽出し、パネリストによる評価から教師データを作成した。さらに、作成したアルゴリズムからは概ね良好な舌苔評価が可能となった。これらの新規のシステムおよびアルゴリズムは、次年度の実験においても活用できるものであり、得られた結果は条件データとなるものであった。次年度は、舌粘膜の乾燥および舌の筋萎縮の測定を行い、評価を可能とするアルゴリズムを作成予定である。また、研究結果を総括し、結果報告・論文執筆を行っていく予定としている。
|
Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響により、実験を実施することがが困難となり、さらにデータ解析にかかる経費を計上されなかったため、残額が生じた。さらに、成果発表および資料収集、研究打ち合わせ等も限定され、国内外旅費の計上もされなかった。したがって、残額分は次年度使用予定とした。
|