2020 Fiscal Year Research-status Report
9年間の縦断研究による口腔機能がサルコペニア・フレイル発症に及ぼす影響の検討
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20K18598
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 瞳 (戸川瞳) 大阪大学, 歯学研究科, 招へい教員 (10845879)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | 口腔機能 / 高齢者 / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会では、要介護者の増加によるさらなる医療費や介護費の増大や人材不足が懸念されている。介護予防には、認知症とともにサルコペニア、フレイルを予防することが重要である。これまで口腔機能と全身の疾患、機能との関連が多数報告されているが、口腔機能とサルコペニア、フレイルとの関連についての長期縦断研究は少ない。そこで本研究では、地域高齢者を対象として行う縦断研究によって、口腔機能とサルコペニア、フレイルの発症との関連について明らかとすることを目的とした。 2020年度は、COVID-19の蔓延の影響により、予定していた80歳群に対する会場調査は次年度に延期となったが、これまで調査に参加したすべての者を対象に郵送調査を行い、現時点で1786名の回答が得られている。 研究実績としては、下顎遊離端欠損が上顎前歯部に加わる力に与える影響について検討を行った。人工歯の着脱が可能な模型を用いて下顎遊離端欠損の欠損歯数を変化させた場合と下顎遊離端義歯を装着した場合の、上顎中切歯に加わる力を、ひずみゲージを用いて計測した。その結果、下顎の残存歯数が減少すると、上顎前歯へ加わる力が増加することが示された。また、下顎遊離端義歯を装着すると上顎前歯に加わる力が減少することが示された。これは今後続く実際の高齢者の調査の前段階としての模型実験の結果であるが、遊離端欠損に対して義歯を装着することで前歯部の負担を軽減し、欠損拡大の防止、ひいては口腔機能の低下の防止につながることが予想されるため、意義は大きいと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
2020年度は、COVID-19の蔓延の影響により、研究者本人の移動が制限された上、予定していた80歳群に対する会場調査は次年度に延期となったため。
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Strategy for Future Research Activity |
今年度は、感染対策を十分に行ったうえで、昨年度行えなかった者および本年度もともと行う予定であった者を対象に会場調査を行う予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19の蔓延の影響により、予定していた80歳群に対する会場調査が次年度に延期となったため。
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