2020 Fiscal Year Annual Research Report
審美的成功を達成するためのインプラント周囲組織形態の解明
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20K18599
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
小林 友幸 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (40848256)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2021-03-31
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Keywords | インプラント / インプラント周囲組織 / 結合組織移植術 / 角化粘膜 |
Outline of Annual Research Achievements |
2020年度は、口腔内スキャナにて取得したSTLデータ上での寸法の測定の精度に関して実験を行った。歯列模型の寸法をノギスにて直接測定したものと口腔内スキャナで撮影し得られたSTLデータ上にて測定したものの比較を行ったところ、STLデータ上での測定は十分な精度が得られた。また、実際の口腔内での撮影を想定し、湿潤環境が口腔内スキャナでの撮影の精度に及ぼす影響を評価するために模型実験を行った。その結果、湿潤環境はわずかではあるが精度に影響を及ぼすことが示唆され、実際の口腔内スキャナ撮影時には口腔内の唾液をできるだけ乾燥させた状態で行うことが望ましいと思われる。 複数の対象患者のCBCT撮影を行い、インプラント周囲組織形態の測定を行った。その結果、インプラント周囲組織に結合組織移植術を行った場合は行っていない場合に比較し、有意にインプラント周囲組織の厚さが大きくなることが観察された。また、インプラント周囲組織の角化粘膜が2 mm以上存在している場合は、存在しない場合に比較して有意にインプラント周囲骨の吸収が少ないことが観察された。これまで定性的に評価されることが多かったインプラント周囲組織形態について、CBCTを用いることで定量的に評価することが可能となった。 さらにデータを収集し、評価を行うことで、インプラント治療の術前のリスク分析や治療計画立案時の助けとなる知見が得られると考えている。口腔内スキャナで得られたSTLデータとCBCTで得られたDICOMデータを組み合わせることでさらに詳細なインプラント周囲組織形態の評価が可能になると考えられる。
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