2021 Fiscal Year Research-status Report
光重合型架橋性ビニルエステルの分子量と多孔型吸収性骨補填材の骨形成率との関係
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20K18602
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
山田 知枝 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (60838001)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 吸収性骨補填材 |
Outline of Annual Research Achievements |
骨形成タンパクを生体内で適切な速度で持続的に放出する人工骨補填材の開発が求められている。本研究では骨形成タンパクの含有および適切な速度での持続的な放出を実現するために,重合により架橋構造を与えるビニル基と生分解性を示すエステル基を有する光重合性ジビニルエステルモノマー(DVA)を用いる。重合体の分子量,細胞生物学的特性,強度,生体内での骨形成量について検討し,最も骨形成量の多い分子量を生じる重合触媒濃度を決定することを目的とする。 今年度は重合触媒濃度を3条件に設定して試料を作製し,ラットの頭部に埋入した。埋入後1か月,2か月後にCT撮影を行い,試料埋入部を観察した。
ジビニルエステルモノマーであるアジピン酸ジビニル(DVA)を用いる。DVAは分子内に重合時に架橋性を示すビニル基と生分解性を有するエステル基とを有することが特徴である。そのため,重合後には3次元構造を示すが,内部のエステル基が分解起点となることができる。 重合触媒濃度は3条件の設定を行い,(A)CQ:1.2質量%,4E:4.8質量%,重合時間3分 (B)CQ:0.6質量%,4E:2.4質量%,重合時間3分(C)CQ:0.3質量%,4E:1.2質量%,重合時間3分と設定し,骨形成タンパク(BMP-2)を混和して試料を作製した。動物埋入実験は8週齢のウィスター系雄性ラット 60 匹を無作為に3群に分け,試料埋入手術は三種混合麻酔薬(塩酸メデトミジン+ミダゾラム+酒石酸ブトルファノール)による深麻酔下で行い,頭蓋骨上に埋入した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
3種類の試料を作製し,実験動物に埋入した。埋入1か月後,2か月後の試料埋入部CT撮影を行い,骨形成量等を観察した。
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Strategy for Future Research Activity |
試料埋入後4か月後,6か月後に埋入部CT撮影を行う。また試料および頭蓋骨を採取して切片標本を作製し,病理組織学的観察と骨形態学的観察を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定通りに計画を遂行したが,想定より試薬等を安価に抑えることができたため次年度使用額が生じた。2022年度は実験動物の飼育,CT撮影,BMP添加試料の物性評価のための追加作製等を行う予定であり、その費用に充当する。
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