2020 Fiscal Year Research-status Report
Hyperocclusive state and MRONJ
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20K18604
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
峯 裕一 広島大学, 医系科学研究科(歯), 講師 (60605989)
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Project Period (FY) |
2020-04-01 – 2022-03-31
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Keywords | MRONJ / 咬合性外傷 / 実験的過剰咬合 |
Outline of Annual Research Achievements |
ビスフォスフォネート(BP)製剤や抗RANKL抗体などの骨吸収抑制薬の使用患者において、侵襲的歯科治療をきっかけに難治性の顎骨壊死(Medication-related Osteonecrosis of the Jaw, MRONJ)が発生することが報告されている。2016年に顎骨壊死検討委員会が発表したポジションペーパーでは、MRONJの発症リスクとして抜歯のみならず、過大な咬合力、不適合義歯およびインプラント治療など補綴学的に重要な症状・治療法についても重大な局所因子としている。しかしながら、ポジションペーパーでは、これらのリスク因子は医学的根拠に基づいて確定されたものではないと述べられており、実際、MRONJの発症機序は完全には明らかにされていない。本研究では、MRONJ発症に関与が疑われている過剰な咬合力等の不適切な荷重に焦点をあて、in vivoおよびin vitroによる病態解析を目的とした。 初年度は、実験的過剰咬合とBP製剤投与を組み合わせたマウスの病態解析を行なった。マイクロCTによる骨パラメータ解析およびHE染色とTRAP染色による組織学的解析を行なった。その結果、実験的過剰咬合とBP製剤投与の組み合わせは、実験的過剰咬合と生理食塩水投与群と比較して、歯槽骨部において骨壊死領域の有意な増加が認められた。これらの結果をもとに現在は、骨様細胞集塊に対し過剰なメカニカルストレスを与えるin vitro骨壊死モデルの確立を目指し、実験に着手した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験的過剰咬合によるMRONJモデルマウスのマイクロCTおよび組織学的解析が完了し、当初の予定通り進んでいることから、おおむね順調に進展していると考える。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、骨様細胞集塊を用いてin vitro骨壊死モデルの確立を目指すとともに、in vivoで得られた研究結果と統合解析を行う。
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Causes of Carryover |
Covid-19感染拡大の影響により当初計画の旅費執行が困難になった。次年度も同様の状況が想定されるが、2020年度に得られた結果をもとに、新たに分子生物学および組織学的解析を行うための予算として使用する。
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Research Products
(3 results)